たっぷり愛情をかけて育てていきたいのに、子どもの繰り返されるイヤイヤ、わがまま、いたずらに、気づけばカッとなって怒ってしまっている……。こんな感情を何とかコントロールすることはできないでしょうか? 子育て中の親に向けたアンガーマネジメントに詳しい篠真希さんに、気持ちを鎮める方法について、教えてもらいました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 子に思わずカッとなる 気持ち鎮める3つの方法 ←今回はココ
(2) 叱らなくてはいけないこと、伝えるための6つの工夫
(3) 子の歯ぎしり なぜ起きる?そのままで大丈夫?
(4) 子どものいびき、病気のサインであることも 対処法は
(5) 未就学児の縄跳び 攻略ポイント【写真で解説】
(6) 逆上がり 体の軽い未就学のうちが習得のチャンス
(7) 跳び箱攻略のカギは「気持ちのハードル越えて思い切る」

気持ちを鎮めるノウハウはあっても魔法はない

 いつも優しく、子どもを叱らなければいけないときも感情的にならず、諭すように冷静に話ができる親でありたい……。頭ではそう思っていても、子どもと過ごしていると、ついカッとなってしまうことも。幼い子ども相手に感情的になってしまった時の、後味の悪さといったらありません。怒りの衝動、どうにか鎮めることはできないでしょうか?

 20歳と17歳の姉妹の母で、『子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本』の著者である日本アンガーマネジメント協会シニアファシリテーター、篠真希さんは次のように話します。

 「つい子どもに感情をぶつけてしまうのは、子育て中の親に共通した悩みですよね。相手が大人なら言葉を飲み込めるのに、子どもには必要のないことまで言ってしまうということはないでしょうか。 大人と話をしているときは、相手の顔色や、言い返してくる言葉に気を配りながら話すので、子どもが相手のときに比べて、自分の感情をコントロールしやすい傾向があります。しかし幼い子どもの場合、素直に話を聞いてくれる上に、言い返してこないので、感情に歯止めがかかりにくくなってしまうのです。でも、感情的な怒り方は子どもに悪影響はあっても、本質的な意味で良い成長を促す効果はありません」

 理由があって子どもの行動を改善するために叱ることと、自分の感情に流されて怒ることは別物です。アンガーマネジメントのノウハウによって、怒りの衝動をコントロールすることはできるのでしょうか?

 「ノウハウはあっても、実践さえすれば怒りが鎮まるという魔法ではありません。感情的な怒りをコントロールする上で何よりも必要なのは、『自分の怒り方が子どもの将来に及ぼす影響』を理解することと『感情的な怒り方はしない』という強い意志です。自分が『こうありたい』という意志があって初めて、アンガーマネジメントは効果があることを理解した上で実践してみてください」

 次のページから、アンガーマネジメントで効果を得るために必要な姿勢と気持ちを鎮める方法について、篠さんに聞いていきます。