「ママにはどうしておちんちんがないの?」「赤ちゃんはどこから生まれてくるの?」――。好奇心旺盛な子どもは、大人が一瞬たじろいでしまうような、性の疑問をある日突然ぶつけてきます。「子どもが性器をいじっているのが気になる」などの具体的な悩みを持つママ・パパも多いかもしれません。そんなとき、親はどうしたらいいのでしょうか。前回に続き、NPO法人ぷれいす東京理事で日本性教育協会運営委員会副委員長も務める池上千寿子さんにお話を伺います。今回は、保育園児の年齢によくある、具体的な悩みについて教えてもらいました。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 熱中症予防 脱水のサインとエアコンの上手な使い方
(2) プール入れない? 夏に注意したい感染症、夏風邪は
(3) 幼児の性の悩み 「タブー視」がもたらす悪い影響
(4) 性器いじり、質問への答え方…人に聞けない性の悩み ←今回はココ

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

 子どもが性に関する疑問をぶつけてきたら、ちゃんと答えられる自信がありますか。以前、日経DUALのアンケートで「子どもに性に関する質問をされたら上手に答える自信はありますか?」と聞いたところ、「あまり自信がない」(46.9%)、「まず大丈夫」(34.7%)、「自信がない」(9.5%)、「自信がある」(8.8%)という結果で、「あまり自信がない/自信がない」と答えた人が、男女ともに半数以上いました。

 未就学児の親が直面する、性にまつわる、よくある悩みは何でしょうか。「『性器いじり』と『性的な言葉を発する』が古くて新しい、2つの大きな悩みだと思います」。NPO法人ぷれいす東京理事の池上千寿子さんは言います。

おすもうさんがまわしをする理由、あなたがパンツをはく理由

 まず、「性器いじり」について。「基本的に放っておいて大丈夫です。なぜ、それぐらいの子どもが性器を触るのかというと、興味があるからです。体にかかわらず、興味があるものは何でも触るでしょう。大人が勝手に大人のイメージで色々と想像してパニックになり、『いやらしい』とか『そんなところ触っちゃダメ』というのは、よくありません」

 「性器」に関しては、男女を問わず、基本的な考え方を伝えておくといい、と池上さんはアドバイスします。「なぜ人間はパンツをはいているのか、分かりますか。プールで泳ぐときも、水着は着ますよね。おすもうさんも、まわしで性器の部分を隠しています」

写真はイメージです
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<次のページからの内容>
● ママにはどうしておちんちんがないの?
● 赤ちゃんはどこから出てくるの?
● ママの生理をどう説明する?
● 「男だから」「女だから」と使わないほうがいい理由