新型コロナウイルス感染症の流行が始まり3度目の夏を迎えました。第7波の行方も気がかりですが、今年こそは旅行や帰省など遠出をしようと考えている家庭も少なくないのではないでしょうか。中には長引く自粛生活の中で、初めて小さな子どもと旅をするという人もいるでしょう。マイカーでの移動はさておき、鉄道や飛行機など公共交通機関での移動を考えている場合は、子どもをどうおとなしく移動させるかというのはどの家庭も共通の悩み。心理学が専門の早稲田大学教授の本田恵子さんに、公共交通機関を利用する際の未就学児との向き合い方について聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 子どもの心理を逆手に「電車や飛行機で騒ぐ子」対策 ←今回はココ
(2) 絵本で「思考力・伝える力」を伸ばす 読み聞かせのコツ
(3) 保育園に遅れて入園 わが子はうまくなじめる?
(4) 幼児も自分で服選び 世界や社会を知るきっかけにも

 今年の夏休みは旅行をするという人が多いようです。旅行大手のJTBがまとめ、2022年7月7日に発表した旅行動向見通しでは、(同年)7月15日~8月31日の夏休み期間に1泊以上の旅行に出かける人の見通しは延べ7050万人。これは21年よりも75.9%増え、コロナ流行前の19年の93.6%とほぼ同水準となる見込みです。

家ではいつもおとなしいのに、電車に乗ると騒いだり泣いたりすることも
家ではいつもおとなしいのに、電車に乗ると騒いだり泣いたりすることも

 行楽地を観光したり、遠く離れた実家で家族と再会したりと楽しみは募りますが、小さな子どもを連れた家庭には移動という難関が待ち受けています。特に電車や飛行機などの公共交通機関を利用する場合は、子どもが泣いたり騒いだりすることへの不安は少なくないのではないでしょうか。

 そうしたときにどうするか。子どもをどうにか寝かしつけようとしたり、お菓子で「口封じ」をしようとしたりする人は多いかもしれません。「しかしそれでは根本的な解決にはなりません」と本田さんは言います。そもそも、小さい子どもが騒いでしまうのは、不安だからだそう。いったい何が不安で、親はその不安を和らげるために、どうすればいいのでしょうか。

●この記事で分かる内容
・子どもが公共交通機関で騒ぐのは〇〇だから
・出かける前に○○を伝えよう
・子どもを落ち着かせる有効な遊びは?