保育園の年長になると、小学校入学が見えてきます。小学校受験などの予定がなければ、わが子が通う小学校の具体的な情報なども耳に入ってくるころでしょう。中には、「保育園環境は良かったけれど、小学校区には心配要素が多い」というケースもあるようです。子どもがいったん小学校に入学してしまうと、転勤などの外的要因がない限り、引っ越しのハードルは一般的に高くなるもの。住まい購入も想定して入学までに引っ越ししたいという思いが少しでもある人にとっては、この夏が駆け込みチャンスとも言えます。チェックしたいポイント、気になる「学区問題」などについて2回に分けてお伝えします。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 年長の夏から駆け込み!入学前に考えたい学区問題 ←今回はココ
(2) 駆け込み!中学受験する・しないで学区選びは変化?
(3) 理科力が芽生えるおうち遊び 足すべき意外なものは
(4) 年間270回出前講座する人気先生おすすめ科学あそび

駆け込みで入学前に引っ越しは可能?

 まず、保育園年長の子どもがいるDUAL世帯が小学校入学までに引っ越すために、今から動くことは現実的なのでしょうか。

 「理想を言えば、小学校入学までに転居する場合、落ち着いて入学することを考えると半年前くらいには決めたいです。そのためには、物件選びは5月、6月くらいに動き始めるのがベスト。ただ、もちろん8月からでも可能です」。マンションの資産性情報サイト「住まいサーフィン」を運営する不動産コンサルティング会社のスタイルアクト代表の沖有人さんは言います。

 小学校入学を目標に据えるなら、「住民票を移すのが最終ゴールです」と沖さんは説明します。公立小学校には学区があります。学区は市区町村の教育委員会が定めた、公立小の通学区域のこと(校区、学区域などと呼ぶ地域もある)。公立小学校は原則として、その学区内の子どもが通うことになっています(自治体によっては「学校選択制」という制度を導入しているところもある)。

 「住民票を基に、10月から11月ごろにかけて、小学校から就学時健診の通知が送られてくるケースが多いので、9月ごろまでに引っ越しして住民票を移しておくと、最もスムーズだとは思いますが、それ以降に引っ越したとしても学区内に住んでいれば、その小学校に通う権利はありますので、問題ありません。これから動き始めて、1~3月に引っ越ししたとしても権利は否定されません」

 これから動き出す場合、メリットやデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。