自分でできるはずのことも『ママやって』と言ったり、仕事や家事で忙しい時間帯に『遊んでほしい』とダダをこねたり……。コロナ禍で子どもが家にいた期間、子どもの「甘え」が気になることがあったかもしれません。5~6歳の子どもが「食べさせて」「抱っこして」といった年齢不相応な甘えを見せた場合、それに応えるべきかどうか戸惑うこともあったでしょう。「子どもの甘え」について、一般社団法人.子育て心理学.協会 代表理事の東ちひろさんに話を聞きました。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) きょうだいゲンカ減らす鍵は親子関係にあり
(2) 親の介入次第できょうだいゲンカからの学びより深く
(3) 片付けない子どもに、親の「捨てるよ」は逆効果
(4) 「抱っこ」「食べさせて」受け止めるのがいい理由 ←今回はココ

子どもにとって甘えは必要なこと

 たまの甘えであれば、かわいく感じる余裕もありますが、普段から親に甘えてばかりで手がかかる子の場合、親は「いつまで続くの?」「保育園では大丈夫?」と心配になることもあるかもしれません。

 こうした子どもの甘えに対し、心理学とコーチングを使ったアプローチで多くの子育て相談に応じてきた東ちひろさんは「子どもにとって甘えは必要なこと」と話します。

 「私のところにもコロナ禍で子どもの甘えについての相談が寄せられました。コロナ禍の甘えは、外で思うように遊べなかったり、生活が一変したりというストレスが原因の、一種の赤ちゃん返りです。災害があったときなどによく見られる現象で、『守ってもらいたい』という本能から年齢よりも幼い行動を取っているのだと思います。

 子どもにとって『必要な』行動で、年齢不相応で当然です」

 背景にある子どもの心理は通常時でも同じ。つまり『守ってもらいたい』という気持ちの表れだと東さん。

 「子どもを自立させたいと思うのであれば、子どもの甘えはどんなものであれ受け止めていくのがいいでしょう。実は、甘えを十分に受け止めた方が子どもの自立が早くなります。さらに自立を促すのであれば、子どもに家のことを手伝ってもらうお手伝いを上手に取り入れるのがオススメです」

 次のページから、子どもの甘えの上手な受け止め方と、自立を促すお手伝いのコツについて、東さんに話を聞いていきます。