保育園からの帰り際に、ちょっとだけのつもりで始めた園庭や公園での外遊び。「もう帰ろう」と子どもにいくら促しても終わる気配がなく、困ってしまったことはありませんか? 外遊びに夢中な子どもの機嫌を損ねずに、どう親の声を届ければいいのでしょう。長年、保育施設の代表として子どもを見守ってきた柴田愛子さんに聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 子の外遊びがなかなか終わらない さっと帰るには ←今回はココ
(2) いじわる、仲間はずれ 園での友達トラブルはどう解決?
(3) 「人前でモジモジする子」に親がやってはいけないこと
(4) 子どもの「何となく不調」は野菜不足が原因の場合も

 仕事が終わってホッとするのもつかの間、夕食、お風呂、歯磨き、寝かしつけと、働くママ・パパにはまだまだタスクが山積みです。なるべく早く帰宅したいのに、子どもが園庭や帰り途中の公園で遊び始めてしまい、「もうちょっとだけ!」となかなか帰ろうとしない……。そんな経験はありませんか。「一日保育園で頑張ったし、少しくらい遊ぶ時間があってもいいかな」と思いつつも、帰ってからの忙しさを考えると、一刻も早く帰りたい気持ちになり、やきもきしてしまうのではないでしょうか。

 「時間という概念を身に付け、先を予測して自分の行動のブレーキをかけられるようになるのは、5、6歳からです。それよりも小さな子どもは、先を予測して自分をコントロールすることなんてできません。楽しい『今』が一番大事なんです」

 認可外保育施設、りんごの木子どもクラブ代表の柴田さんはそう言います。

 「先のことなんて考えない、今の楽しさで頭がいっぱいの子どもたちに『楽しい外遊びをやめて、家に帰ろう』というのは無理な要求ですよね。けれども子ども任せにしていては、いつまでたっても遊びは終わらず、家に帰ったら夕食も食べずにコテンと寝てしまう。生活リズムも狂ってしまうし、健康的な生活習慣も身に付きません。親が遊びを切り上げさせ、帰宅させる必要があります」

 外遊びに夢中になっている子どもに、「ごはんを食べる時間がなくなるから帰ろう」など、親がどれだけ論理的に理由を説明しようとしても、「それは単なる脅しになってしまって、子どもが『そうだね』と納得することはありません」と柴田さん。ではどうすればよいのでしょうか?

この記事で分かる内容
・子どもがすんなり帰る声がけの工夫
・「日が暮れると鬼が来るかも……」と言ってOK?
・親の◯◯な行動は子どもを深く傷つけてしまう