2017年6月に亡くなられた日本のモンテッソーリ教育の第一人者の相良敦子先生。その理論的な裏付けや子どもたちの実例から導き出された成果は多くの教育者に引き継がれ、たくさんの子どもたちを育てる礎となっています。今回は、生前、相良先生にお聞きした幼児期のお手伝いの大切さや上手な関わり方の実践的なアドバイスをご紹介します。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 共働きに最適の寝かたは?子の情緒を育てる川の字寝
(2) 添い寝卒業には子どもの動機と自分への信頼が必要
(3) 初めてのお手伝い 子どものタイプ別成功術
(4) モンテッソーリに学ぶ お手伝い事始め ←今回はココ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

 相良先生は「モンテッソーリ教育の一番の特徴は、『日常生活練習』を土台としていることです。モンテッソーリは、日常生活行動を教材化し、教育に活用したのです。子どもたちが日常行うあらゆる活動を、自分自身のペースで行うことが、重要な土台となります」と話します。

 「子どもは自分でやりたいと選んだことを、困難を乗り越えて、最後までやり遂げると心から満足そうな顔をします。そして、達成した快感を味わうと、何度もそれを繰り返したいと思うものです。子どもが自分でやりたいと選んだお手伝いも、モンテッソーリ教育でいう成長の『仕事』の一つとなり得ます。子どもが自ら選んだ活動を、大人が発達段階に応じて援助することは、とても有意義なことです」

 お手伝いでは子どもが自ら選び、大人が環境を整えることが大切だという相良先生。次のページからは「お手伝いがモンテッソーリ教育でいう成長の『仕事』に当たる」という点をもう少し詳しくお聞きしていきましょう。

<次のページからの内容>
● 子どもの「こうなりたい」という気持ちに沿って導くことが大切
● 親の動きをじーっと見ていたらお手伝い開始のチャンス
● 子どものお手伝い環境を整える7つのポイント
● 子ども専用の道具、「1つのことだけ」伝える
● モンテッソーリ流お手本の見せ方
● やるかどうかは自分で決めさせる
● うまくできないときはどうしたら?