幼児を持つデュアラーの皆さんはいつもどんな寝かたをしていますか? 子どもを夫婦で挟んで川の字寝? それともパパだけ別室? 子どもとの添い寝は親にとって至福のときですが、いつまで続けてもよいのか気になる方も多いようです。幼児期の寝方が子どもや夫婦関係にどのような影響があるのでしょうか。そこで、国内の5000組以上の家族の寝かたを研究し、アメリカでの子育て経験もある教育学博士の篠田有子先生に、お話をお聞きしました。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 共働きに最適の寝かたは?子の情緒を育てる川の字寝 ←今回はココ
(2) 添い寝卒業には子どもの動機と自分への信頼が必要
(3) 初めてのお手伝い 子どものタイプ別成功術
(4) モンテッソーリに学ぶ お手伝い事始め

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

共働きの影響? 子ども中央寝が増えている

 「今は小学生になっても親子で添い寝をしているという家庭は珍しくないんです」。取材の冒頭、そう述べた記者に「そうなんですってね。3年ほど前に小学4年生の寝かたを調べたのですが、びっくりすることに8割が添い寝でした。30年前に調査をしたときは、高学年では65%が一人寝をしていたのに比べると、添い寝をする期間はかなり長くなっています。これは憂慮すべきことです

 今の日本の親子関係を心配する篠田有子先生は、かつて日立家庭教育研究所に在籍し、教育研究委員として数多くの親子の寝かた調査を行ってきました。日本女子大学家政学部児童学科でも講師として、日本の親子の寝かたが子どもや夫婦関係に及ぼす影響を研究してきた国内でも稀有な研究者です。

 「物理的な距離は心理的距離に比例する」という仮説をもって研究を進めてきた篠田先生は、親子の寝かたが子どもの自立心や父親との距離感に影響することが推察されると言います。つまり、添い寝をしていて親子の距離感が近いと、親との心理的距離が近く、子どもが甘えてしまうということ。これはやはり憂慮すべきことなのでしょうか? 欧米の子どもが乳幼児のころから一人寝をしているように、日本でも添い寝はしないほうがいいのでしょうか。

<次のページからの内容>
● 添い寝は子どもの情緒を育てる
● 子ども中央寝が招く親子のピンチとは
● 共働きに最適の寝かたは?
● 添い寝卒業はいつごろ?
● 一人寝への道はらせん階段。行ったり来たりで当たり前
● 添い寝社会は以心伝心 一人寝社会では言葉で愛情表現