以前、編集部が取った読者アンケートによると、忙しい朝の子どもに関する具体的な悩みとして多かったのが「朝なかなか起きない」という起床にまつわる悩みと、「朝ごはんを食べるのに時間がかかる」といった朝食にまつわる悩み、そして「服を着替えるのを嫌がる」といった着替えに関する悩みでした。

今回は子どもの時間の観念について、きづく代表でポジティブ・ディシプリン日本事務局カントリートレーナーの森郁子さんのお話と、グズグズ目覚め・ダラダラ朝食・イヤイヤお着替えに対するDUAL読者の解決アイデアや、おススメのお助けグッズをご紹介します。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) いつまでも「抱っこちゃん」長男長女との向き合い方
(2) きょうだいは平等じゃなきゃいけないの?
(3) 忙しい朝を制する寝かせ方・起こし方・言葉のかけ方
(4) 朝のグズグズ・ダラダラ・イヤイヤ 解決アイデア  ←今回はココ

子どもは理解しにくい時間の概念

 「お子さんは時間の概念が理解できていますか?」

 そう話すのは、今年5月に普及拡充のために立ち上げた新しい団体「きづく」にて、「ポジティブ・ディシプリン」という子育ての考え方を提案している森郁子さんです。

 「ポジティブ・ディシプリンとは、叩いたり、怒鳴ったりせずに子育てをするための考え方です。毎朝大きな声を出してイライラする代わりにできることを、具体的に考えるプログラムです(ポジティブ・ディシプリンについて)

 時間とは、大人が思っているよりも抽象度が高い概念です。一般的に時間の概念への理解が進むのは、就学年齢ごろから。なので保育園児に『あと5分で家を出るよ』と言っても、その『5分』の長さが感覚として伝わりませんが、小さい頃からの声がけが徐々に理解を助けるので、保育園に通う間から少しずつ時間を意識した声がけをしていけると良いですね

 森さんによると、未就学の子どもに「5分」の長さを理解させるためには、たとえばいつも見ている5分番組を見た後に「今の番組が5分だよ」などといった声がけを繰り返しすることで、5分の概念を身体感覚と結びつけることができるようになっていくそう。

 子どもに時間の感覚を伝える上で注意すべきは、「大人の都合で時間を伸び縮みさせないこと」だと森さんは言います。「『あと5分で出るよ』と言った後、急いでいる日は時間きっかりに出るのに、余裕のある日は少しゆっくりしてしまうというようなことがあるかもしれないですが、ここは一貫性を意識した方が、時間の感覚を体得中の子どもにとっては有益です」

 では、実際に忙しい朝を過ごすDUAL読者はどのように子どもに声がけをしているのでしょう? 次のページから、実際に読者が朝をスムーズに進めるために実践しているアイデアと編集部おススメの朝のお助けグッズをご紹介します。

<次のページからの内容>

● 時間感覚を理解できるコツ
● 機嫌を損ねずに起こすアイデア
● 朝食は「外」も「中」も工夫がいっぱい
● お着替えも工夫で乗り越えろ!
● イヤイヤ期の朝対策