何かにつけ「ズルイ!ズルイ!」の合唱が巻き起こるきょうだい育児。子どもの年齢差や能力を考えた上で「平等」にしたはずが、「○○ばっかりズルイ」と突かれてしまったことはありませんか?

特集1回目の「いつまでも『抱っこちゃん』長男長女との向き合い方」に続き、きょうだい育児をする上での平等をテーマに、一般社団法人.子育て心理学.協会、代表理事の東ちひろさんに、注意点を伺いました。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) いつまでも「抱っこちゃん」長男長女との向き合い方
(2) きょうだいは平等じゃなきゃいけないの?  ←今回はココ
(3) 忙しい朝を制する寝かせ方・起こし方・言葉のかけ方
(4) 朝のグズグズ・ダラダラ・イヤイヤ 解決アイデア

「不器用な上の子」と「人受けの良い下の子」

 「真面目だけど不器用な上の子」と「ちゃっかりしていて人受けの良い下の子」。きょうだいポジションにまつわるそんなイメージはありませんか? 「生まれた順番で、ある程度性格的な傾向が見られるのは事実です」と話すのは、一般社団法人.子育て心理学.協会、代表理事の東ちひろさんです。

 「上の子は、その家にとって初めての子。親はもちろん祖父母からも大注目を浴びながら人生がスタートするので、自分の見せ方を考える必要はありません。一方、二人目以降の下の子は『愛情激戦区』に生まれついているので、タイミングをはかってニコニコするなど、周囲とうまく関わる術を、生まれながらにして学んでいるのです。

 だからこそ同じ状況にあっても、上の子はグズグズだだをこね、下の子は笑顔でやりすごすなど、不思議なほど表現が変わってきます」

 特集1回目で説明したとおり、上の子の心の中には「下の子が生まれたことで、親の愛情が減ってしまった」という不満と喪失感がくすぶっています。だからこそ、きょうだい間の平等・不平等にとても敏感に反応してしまうのだそうです。

 そうなると、きょうだいを「平等」に扱う上でキーになるのはやはり上の子。では、具体的にどのように接すればよいのでしょう?

<次のページからの内容>

● 上の子をひいきするくらいでちょうどいい
● きょうだい間での嫉妬を解除できる「平等」とは?
● 上の子に我慢させざるを得ないときの注意点
● 必要なのは「褒める」ではなく「承認」