子どもの皮膚に保湿剤や日焼け止めを重ね塗りしても、外に出ると汗で少し崩れてしまいます。さらにオムツの中や背中にはあせもが広がり、頭からはにおいが……汗の時期の子どもの皮膚は一筋縄にはいきません。こうした皮膚トラブルやケアの方法について、前回記事に引き続き、神奈川県立こども医療センター皮膚科医の馬場直子さんに聞きます。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) なぜ保湿が必要? 汗の時期の子どもの肌ケア
(2) 汗の季節のオムツかぶれや頭のにおい ケアのコツ ←今回はココ
(3) 「パパ×娘」の育児 共感する気持ち言葉で伝えて
(4) 「ママ×息子」の育児 スキンシップが気持ち満たす

子どもも大人も汗腺の数は同じ

 前回記事で、「汗をかいたらその都度拭き取り、拭いた部分は保湿をする」という、汗の時期の皮膚ケアの基本について教えてもらいましたが、夏は必要なものを肌に塗っても汗で少し崩れてしまったり、オムツかぶれや頭のにおいが気になったりするなど、気がかりな点がたくさんあります。

 こうした子どもの皮膚トラブルの原因について、神奈川県立こども医療センター皮膚科医の馬場直子さんは、子どもが大人に比べて圧倒的に多く汗をかくことにあると説明します。

 「子どもが寝ている間に、シーツや枕が汗でぐっしょりぬれてしまったという経験があると思います。実は人は生まれてから大人になるまで汗腺の数が変わりません。なので、小さい子どもの方が、表面積当たりの汗腺の数が多くなるため、大人に比べて汗でぐっしょりになり、汗による皮膚トラブルが起こりやすくなってしまうのです」

 次のページから、お出かけ時の肌のケア、オムツかぶれ、頭のにおいなど、小さな子どもによくある汗の時期の皮膚トラブルの対処法について馬場さんにお話しいただきます。