頑張って歩く下の子を尻目に、上の子が抱っこしてもらっていたり、時にはバギーに乗っているという、きょうだいの「逆転現象」を見かけることはありませんか? 一見おかしな光景ですが、実はこれはきょうだい育児の「あるある」の一つ。忙しい共働き家庭にとって、いつまでも終わらない上の子のグズグズは悩みの種。さらに常態化したグズグズが、もはや赤ちゃん返りなのか、その子の性格によるものなのか分からないという声も耳にします。

こうした上の子の「困った」に、親はどう対応すればいいのでしょう? 一般社団法人.子育て心理学.協会、代表理事の東ちひろさんに、上の子のグズグズ対応法について聞きました。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) いつまでも「抱っこちゃん」長男長女との向き合い方  ←今回はココ
(2) きょうだいは平等じゃなきゃいけないの?
(3) 忙しい朝を制する寝かせ方・起こし方・言葉のかけ方
(4) 朝のグズグズ・ダラダラ・イヤイヤ 解決アイデア

きょうだい育児は「愛情のシャンパンタワー方式」で

 「子育て相談でも、上の子の『歩かない』『食べない』などのグズグズの悩みは多くありますが、こうしたグズグズの原因は、上の子の『不満』と『喪失感』にあります」と話すのは、一般社団法人.子育て心理学.協会、代表理事の東ちひろさんです。

 「下の子が生まれるまで親の注目を120%浴びるのが当然だった上の子にとって、下の子が生まれ、親をシェアすること自体が『親の愛情の持ち分が減った』と感じられる、大きな不満の種なのです。下の子が誕生すれば、親は下の子の世話に割く時間ができますが、上の子は『親が下の子の世話をしている』=『親の愛情が減った』と感じてしまうのです」

 こうした赤ちゃん返りについては2人目以降の子どもを出産する親は知っていることが多いですが、今回の悩みは「いつまでたっても『抱っこちゃん』な長男&長女」。つまり、下の子が生まれて数年経過してもなお、グズグズを続けている上の子です。上の子がいつまでもグズグズしているのは、まだ赤ちゃん返りが続いていてのことなのか? それともその子の性格によるものなのでしょうか?

 これに対する東さんの答えは「そこを分析する意味はありません」とのこと。

 「上の子のグズグズが、赤ちゃん返りだけでなく『気持ちが弱い』など性格的な要因があったとしても、そこを刺激する原因も、必要な対応も赤ちゃん返りと同じです。

 グズグズの目的は、下の子に持っていかれた親の愛情(注目)を取り戻すことなので、再度子どもが親の愛情に満たされ、納得できたと感じれば落ち着きます。逆に言えば、いつまでたっても上の子にとって納得いかない状況が続くのであれば、赤ちゃん返りは長期化してしまうのです」

 そう聞くと、真面目な親ほど、時間の限り上の子とも下の子とも向き合わなくてはと自分を追い込んでしまいますが、仕事ときょうだい育児を両立する親にとって、それはちょっと大変。

 ここで東さんがオススメするのが「愛情のシャンパンタワー方式」です。

 「子どもは心が満たされると、安定して余裕ができます。そうなると、下の子にも愛情をまわせるようになり、優しく接するようになるのです。だからこそ親は上の子に愛情を注ぐことで、下の子にも愛情をまわすという『シャンパンタワー方式』が効率的です。

 そもそも2人目以降の子どもは、最初から親の愛情はきょうだいでシェアするという環境のもとに生まれますので、『こんなもの』と納得できています。だからこそ、親はまず愛情飢餓状態に陥ってしまった上の子に愛情を注いでください。そのために必要なのは甘えさせること。子どもの話を聞いたり、認めたり、触れ合うことを通じて目の前の子に寄り添ってあげてください。たっぷり愛情を注げば、グズグズは抜け出すことができますよ」

 次のページから子どものグズグズを最短で抜けるための、愛情の注ぎ方のコツを、東さんに教えてもらいます。

<次のページからの内容>

● 上の子の年齢はマイナス2歳で考える?
● 子どもの「もっともっと欲」は必要な通過点
● 2週間、徹底して向き合う ここが踏ん張り時!
● 落ち着くべきは、グズる子どもより焦る親

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