外出自粛が続いて、生活リズムが乱れ、子どもの眠る時間が遅くなっているかもしれません。保育園や通勤が再開し忙しい日常が戻ってからも、寝かしつけの時間など睡眠に関する悩みは続いていくでしょう。江戸川大学社会学部教授で、同大学の睡眠研究所長の福田一彦さんに、子どもの寝つきを良くし睡眠を確保するための3つのポイントを教えてもらいました。

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寝つきを良くして睡眠時間の確保を

 米国の国立睡眠財団は、一日に必要な睡眠時間は新生児(0~3カ月)が14~17時間、赤ちゃん(4~11カ月)が12~15時間、歩ける赤ちゃん(1~2歳)が11~14時間、幼児(3~5歳)が10~13時間としています。

 日本の現状はどうなっているのでしょうか。3歳未満の子どもについては気になる指摘があります。愛媛大学医学部附属病院の睡眠医療センター(愛媛県東温市)が2018年に発行した『未就学児の睡眠指針』が紹介した、日本における未就学児の睡眠時間の短さを指摘する研究報告です。3 歳未満の乳幼児の睡眠を17 カ国で比較した調査を紹介しています。アジア諸国は全般に欧米諸国より就床時刻が遅く、特に日本の3歳未満の乳幼児の平均総睡眠時間は11.6 時間と最も短いとしているのです。

 同報告書の作成にも関わった江戸川大学社会学部教授で、同大学の睡眠研究所長の福田一彦さんは「睡眠時間は子どもの成長や学力にも影響を与えます。大切なのは、寝かしつけの時間を早め、しっかり必要な睡眠時間を確保することです」と語ります。

 福田さんは「現代の生活スタイルを考えると、上記の睡眠時間を確保するのは難しいかもしれません。その場合でも、できる限り寝つきを良くして睡眠時間を確保するためのコツを押さえるなどするのが大切です」とアドバイスします。次ページ以降で、忙しい家庭が、ちょっとした工夫でできる、子どもの寝つきを良くする方法を紹介します。