子どもは言葉でうまく伝えられないことを絵で表すことがあります。「子どものアトリエ・アートランド」の末永蒼生さんは、「子どもの絵は、親子が心を通じ合わせるためのとてもいいツール」だと言います。「色彩や絵の構図から読み取ることができる子どもの心理」について、末永さんに解説してもらいました。
【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1)たたかなくても怒鳴ることで子どもの脳は傷つく
(2)画用紙を黒く塗りつぶす子が絵に込めたSOSとは ←今回はココ
(3)さじ加減迷う 「甘えさせる」と「甘やかす」の違い
小さな子どもはストレスや不安を感じても、うまく言葉で親に伝えられません。しかし、「子どもの描いた絵から、心のSOSが読み取れることがあります」と、「子どものアトリエ・アートランド」の末永蒼生さんは言います。末永さんは阪神・淡路大震災や東日本大震災、大阪教育大付属池田小事件などでショックを受けた子どもたちのアートセラピーに関わってきました。そうした活動を通じ、子どもたちの絵から心の変化を垣間見ることがありました。
「心の中に起きていることを描くのが、子どもの絵の本質です。言葉では説明できないことを伝えてくれる絵は、親にとって子育ての助けになると思います」
それでは、子どもの絵をどう見れば、子どもの心理が分かるのでしょうか。SOSが発せられていることが分かったときに、親がすべきことと、すべきではないこととは? 実際の事例を見ながら、末永さんにポイントを教えてもらいましょう。
・色彩から読み解く子どもの心理
・親の愛情を求める2つの絵
・自由に絵が描ける環境づくりを
次ページから読める内容
- 黒色は「心のショック」を表す場合も
- 同じ色でも描く子どもによって違う意味を持つ
- 同じ赤色でも「願望」を目に見える形で表現することも
- 絵に込めた「もっと甘えたい」という気持ち
- 「上の子」の寂しさが絵に描かれることも
- 「手形遊び」で子どもが傷ついた心を癒やすケースも
- 自宅に簡易アトリエをつくると子どもの心が安定する