この時期になると、子どもと公園などで「外遊び」を楽しむ機会も増えてきます。ただ、エネルギーいっぱいの子どもとの外遊びは、なかなかの重労働。公園ではよく、ほとんどの時間をスマホをいじってやり過ごす親たちの姿もちらほら見かけますが、一方では、子どもと遊ぶことを心底楽しみ、一緒になって草むらで転がったり、キャッキャと笑い合ったりする親子の姿も。この差は一体、どこから来るのでしょうか?

今回は、玩具メーカーの企画開発、キッザニア東京の立ち上げに携わり、現在は、子ども向け体験プログラムやキャリア教育プログラムの企画運営などを行う、「こども×おとな×しごと プロジェクト」のしみずみえさんにお話を聞きました。子どもとの外遊びを大人にとっても楽しいイベントにする「秘訣」について教えてもらいました。

【年齢別特集 保育園ママ・パパ向け】
(1) 園の送りでギャン泣き 子どもが安心する声掛けとは?
(2) 保育士への不満 本音は伝えつつうまく連携する
(3) 親子で外遊び!心底楽しめる大人はここが違う  ←今回はココ
(4) 子どもに「正しい遊び方」まで押し付けていないか?

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

親が気付けない「子どもの成長」を毎日発見する楽しさは格別

編集部(以下、――) しみずさんといえば、玩具の企画開発やキッザニア東京の立ち上げなどにも携わってきた、「子どもを楽しませるプロ」です。ただ、私もそうですが、子どもとの外遊びに付き合うのって、大人にはなかなかしんどいですよね。正直、おっくうだと感じることもあるし、「心底楽しめているか?」と聞かれると、そうとも言えなくて……。特に、砂場などで「ごっこ遊び」が始まると、本当にげんなりしてしまいます。

しみずさん(以下、敬称略) それはわかります! 子どもの遊びの世界観に没頭するのって、大人にはなかなかハードルが高いですよね。「ごっこ遊び」は、子どもが場を構成するので、仕切りも冗長に感じられる上、目的もゴールも大人にはよく分かりません。普段から仕事で、効率を追求してマルチタスクで働くママやパパからすると、一番苦手なことだと思います。

―― まさにそうなんです(笑)。ただ、保育士さんや一部のパパやママの中には、一日中、子どもと遊んでいてもまったく苦にならないという人もいますよね。それって、単に子どもが好きだから、見ているだけで楽しいということなのでしょうか。同じ時間を過ごすのなら、普段はあまり接することができない分、密度の濃い時間にしたい気持ちがあり、何かコツのようなものがあったら教えていただきたいです。

しみず 私が一緒に活動している保育士さんに、「ごっこ遊び」を心から楽しめる人がいます。そうした人を見ていると、子どもの成長や、面白い発想をしたときの「気付き方」がプロなんですね。子どもの「面白い」を見つけると、小さなことでも、その都度、メモしてインプットしているんです。

―― 子どもとの遊びの中に、自分なりの目的を持っているということですか?

しみず そうですね。親から見ると「あー、いつもと同じお店屋さんだな」「店員さんになりたいんだな」としか映らない光景も、彼女の眼には、「今日は品物をきれいに並べることに興味があるんだな」「店員さんの言葉づかいをまねしているな。家族でどこか買い物に行ったのかな」などという、子どもの成長に見えているんですね。

―― 毎日のように「寝返りが打てた」「ハイハイができた」というのと同じレベルで、子どもの成長が見えているのであれば楽しそうです! プロじゃない私たちでも、そうした「気付き」は得られるものなのでしょうか?

<次のページからの内容>

● 外遊びを楽しくする! 子どもを“よく見る”ときに意識すべき3つのこと
● 仕事モードをOFFにする
● プロセスに目を向けて、気付いたことを言葉にして伝える
● 目的を持って見る
● 親になって、「遊びに没頭できる感覚」を忘れていないか?