在宅勤務の広まりは働く親にとってはうれしいこと。しかし、子どもが病気で保育園に行けず、親も仕事があるという時にどうしたらいいか困るのは、オフィスで働いている時と同じです。そんな時の解決策の一つが病児シッターです。シッターというと親の留守中に利用するイメージがありますが、在宅勤務時に利用する場合は、どのような点に気を付ければいいのでしょうか。病児シッターサービスを手掛けるフローレンス病児保育事業部マネジャーの三枝美穂さんに聞きました。

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コロナ下で在宅勤務時での依頼が増加。休ませる理由にも変化が

 病児シッターとは、入院するほどではないけれど、なんらかの感染症やケガで保育園や小学校を休む時に自宅にシッターが訪問し、保護者の代わりに保育をするサービスです。病児保育専門としてスタートしたフローレンスだけでなく、健康な子どものシッティングを行っている複数の事業者でも病児シッターサービスを提供しています。

 三枝さんによるとコロナ下で病児保育の利用にも変化が見られたそうです。「在宅勤務が広まったことから、親御さんがリモートワーク中の保育依頼が増えました。コロナ以前なら保育園をお休みしていなかった体調変化でも休む家庭も増えています。ちょっと鼻水が出るくらいでも本調子ではない場合は念のため休もうということなのでしょう。その結果、病児保育を利用するケースが増えているようです」

 きょうだいの1人が体調不良で病児シッターを依頼する場合に、ほかのきょうだいも休むので一緒に見てほしいということも増えています。その背景として、保育園から念のためきょうだいも休んでほしいと、「登園自粛」を求められることがあるようです。「これもコロナ前にはないことでした」

 昨年度に関しては、病気の種類にも明確な特徴がありました。「例年冬に流行するインフルエンザや隔年で夏に流行する手足口病、お盆明けから12月頃に流行するRSウイルスといった季節性の感染症が昨年度は大幅に減りました。一方、一般的な風邪や胃腸風邪、中耳炎、突発性発疹での依頼はコロナ下でも変化が見られませんでした」

 季節性の感染症を理由とした依頼が減ったことには、手洗いや消毒の徹底が影響しているのでしょう。ただ、何度もかかる風邪や胃腸風邪による利用が減っていないことから、やはり病児シッターが働く親にとって助けとなる存在であることが推察されます。

 在宅勤務が広まっているとは言え、仕事をしながら病気の子どもを見るのは大変なものです。育休から復帰して保育園生活がスタートしたばかりだったり、コロナ下で実家のサポートを得られなくなったりした人は、在宅勤務をしながら病児シッターを依頼するという選択肢を用意しておくといざという時に安心です。そのために、「どんな病気の時に利用できるか」「お願いできることは何か」「預ける時の流れ」「親の注意点」などについて知っておきましょう。

病児保育のプロにこんなことを聞いていきます!

□病児シッターを利用できるのはどんな病気の時?
□薬は飲ませてもらえる?
□コロナの感染対策はどんなことをしているの?
□在宅勤務だと子どもが親に甘えてきそう。対策は?
□昼食の準備が必要だけど手作りは大変! どうしたら?
□部屋が散らかっている! 片付けをする余裕がないけれど大丈夫?