妊娠・出産を経た新米ママたちが、初めて意識することの一つに「ママ友づくり」「ママ友付き合い」があるのではないでしょうか。「ママ友は不要!」と割り切る人でも、親子関係が濃密な乳幼児~未就学児の時期は、保育園や公園で親同士の交流は少なからず行われるもの。より良い付き合いをして、子育てを楽しみたいものです。そこで今回、DUAL編集部員3名が各人の「ママコミュニティー」の中から、「この人はママたちと付き合い方が上手!」と太鼓判を押すママを1人ずつ連れてくることに。ママ友づくりの達人たちに、連絡先交換のタイミングから子どもも親もストレスなく付き合える秘訣まで、余すところなく語ってもらいました。

 【保育園のママ・パパ/ママ友ネットワーク】
(1) ママ友ネットワークってやっぱり必要? ←今回はココ
(2) ママ友関係 こうすれば自分も家族もハッピーになる
(3) 「1歳未満児と自分だけでお出かけするパパ」が4割
(4) ガチ育児パパの子連れお出かけ 親のストレス削減術

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

<座談会参加者プロフィール>(氏名はいずれも仮名)

丸岡 藍さん(以下、丸岡)…4歳長男と、中1長女のいるママ。猛烈会社員時代を経て、現在はフリーランスで働く建築士。人がたくさん集まることが多かった実家の影響から、大人数で食事をするのが好き。夫も似た感覚があり、月に1度は、1~4家族を誘って自宅でわいわい&気楽なホームパーティーを開催する。一方で、「互いに依存し合うような友人関係は苦手。1人でも全然平気」という基本姿勢を持つ。子どもを介して親密になった気の合う友人として、明るく愉しく付き合いたい。

高浜桃子さん(以下、高浜)…小4の長男のいるママ。幼稚園通いを経て、息子が小学校入学と同時に仕事復帰。メーカーでパート勤務する。産後すぐに知り合った近所のママ、息子を通じて仲良くなった幼稚園時代の友人・同じ小学校の友人、息子の通うサッカークラブやおけいこ仲間、飼い犬グループなど複数の友だちコミュニティーを持つ。「相手のことが知りたくて、自分からガンガン話しかけちゃう!」とどんな人とも気さくに話せ、交友関係は広い。

西山紫保さん(以下、西山)…3歳長男と1歳次男を子育て中。官庁勤務を経て、現在は教育系ベンチャーにフルタイム勤務する。夫婦ともにアウトドア好き。休日は、保育園等で知り合った友人たちと公園で活発に遊ぶのをはじめ、動物園や博物館への日帰り遠足からキャンプ旅行まで、3~8家族程度でおでかけする。おでかけは自ら企画することが多く、「仲良くなれば一緒に遊びに行けて、私も夫も子どももみんな幸せ!」と、別々に知り合ったママ友や家族もどんどんつなげる。

ママ友がやっぱり必要「育児ってこんな感じなんだ……、超孤独!」

日経DUAL編集部 今日は、編集部員が「ママ友づくりや付き合い方が上手(に見える)!」と推薦するお三方に集まっていただきました。積極的にママ友と交流をされている3人ではありますが、改めて、ママ友は必要な存在だと思いますか?

高浜 私には必要ですね。わが家は妊娠前から犬を飼っているので、犬の縁で地域での付き合いはあったんです。犬の散歩に行くと、私の膨らんでいくおなかを見て、「ずいぶん大きくなったね~」などと一緒に喜んでくれる方たちもいました。でも、何かもっと、「今の自分の状況や感情を共有したい!」という切迫した思いがありました。その後に子どもが生まれても、「育児ってこんな感じなんだ……、超孤独!」と思ったのをよく覚えています。

西山 私も長男が生まれたばかりのころ、ものすごくママの友だちを欲していました。

高浜 離乳食の作り方とか、具体的な育児情報を得たいという思いもあったかなぁ。自治体が運営する“赤ちゃんパーク”というイベントにも進んで通って、そこで息子と同じくらいに生まれたお友だちと出会って、一緒に公園に行くようにもなりました。一緒に遊ぶといっても、芝生に放たれた乳児たちがそれぞれゴロゴロしているだけなんだけど(笑)。家の中で赤ちゃんと1対1で向き合うことでは得られない解放感がありました。

西山 私が第一子を産んだのが27歳。学生からの友人の中では早いほうだったので、子どもを産んだ友だちが周りにいなかったんです。育休を取得していたので時間にも余裕がありました。そこで、産後ケアの教室に行ったり、平日に地域で開催される子連れイベントに行ったり、自ら行動していました。でも、そういう場に行っても、他の参加者のママたちと会話はするけれど、なかなか「知り合い」の域を出られず……。

丸岡 高浜さんは、赤ちゃん時代にできたお友だちとは今も付き合いがあるんですか?

高浜 引っ越して会えなくなったことを除いては、今でもずっとつながっていますよ。

丸岡 私はというと、ママ友をそんなに「必要!」とは思っていないかな。自分からは積極的につくろうとはしていません。「この人と仲良くなれそう」と声を掛けても、実際は思い描いていたような人ではないかもしれない。相手のほうからグッと距離を詰められると急に面倒臭くなることも多くて……。群れるのは元から苦手だし、「何となく気の合う人が自然発生的に一緒にいる」という関係が居心地いい

高浜 第一子がまだ赤ちゃんの時期は、“初めて”の連続だから、「この悩みを誰かと共有してお話ししたい!」という欲求はありませんでしたか?

丸岡 うちは、夫もおしゃべりなほうだから、そういう気持ちは家庭内で消化できていたのかな。現に今、家族ぐるみで付き合う友だちは、お互い中1の長女がいるママ。子どもが0歳から同じ保育園だったことで始まったご縁なんですが、実は連絡先を交換したのは保育園卒園のタイミングでした。

西山 えっ!? 初めてのママ友は5年越し!?(笑)。ずいぶん時間をかけましたね。

<次のページからの内容>
● 長女がまだ小さかったころは、子育てより、仕事の相談がしたかった
● 「相手がイメージしていた人と違った」なんて、よくあること。でも、それはそれで面白い
● 必要なときしか連絡しない、マイペースで問題ナシ!
● 生活スタイルや連絡の頻度などが似ていないと、ママ友は長続きしない
● 相手の連絡先を「出会ってすぐ聞く」派、「かなり時間を経てから聞く」派
● 公式なグループLINEでのフリートークは、やや慎重に