「うんちブリブリ~!」と叫んでみたり、調子に乗ってズボンを下ろしてお尻を出したり。無邪気すぎる子どもたちに、親はどんな距離感で接していくのがよいのでしょう? さらに、子どもたちのありあまるうんちへのこだわりを、学びの機会につなげることは可能でしょうか? お茶の水女子大学アカデミック・プロダクション特任教授の、宮里暁美さんに話を聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 育休からの復帰、スムーズに新生活を送る4つのコツ
(2) 「自分はいい親?」復職後の罪悪感、どう乗り越える?
(3) 3~4歳が「うんち」連呼する意外な理由とNG対応
(4) 3~4歳のうんち期 親は「一緒に面白がる」が正解←今回はココ

気持ち高ぶりお尻を出す子、どうすれば?

 前回の記事では、3~4歳ごろの子どもたちがやたらと「うんち」という言葉を口にしたがる背景にある、年齢的な発達の特徴や、「取り合わない」を中心とする親の基本的な対応法についてお伝えしました。

 でも、日に何度も子どもが「うんち」と言っていれば、無視をするにも限度があります。さらにうんちと言いたくてたまらない「うんち期」真っ盛りの子どもの中には、その盛り上がりの延長線上で、ズボンを下ろしてお尻を出してしまうような子も。親にとっては「何やってるの!」と目を疑いたくなる光景であり、もはや「取り合わない」などと言っていられる状況ではありません。

 「確かに中には衣類を脱いでしまう子もいますね。その場が楽しかったり、気持ちを合わせあえる楽しい仲間がいることがうれしかったりして興奮してしまうのでしょう。そこまでしてしまう子どもの気持ちを想像すると、その無邪気さをかわいいなとも思いますが、お尻を出すという行為はやめさせたいですね」と話すのは、文京区立お茶の水女子大学こども園の運営アドバイザーで、子どもの発達に詳しい宮里暁美さんです。

 「『うんち』や『おしり』という言葉を口にして楽しむ行為と、実際にお尻を出してしまう行為は一線を画します。お尻を出すのはやめさせる必要がありますね。ただし、楽しくて調子に乗っている子どもに対して、親も少し余裕を持った伝え方を工夫できるとよいと思います。調子に乗ってお尻を出している子どもの気持ちを受け止めているかどうかで、親も声のトーンが変わったりします。子どもは親の気持ちを敏感に感じとります。子どもにとってただ単純に楽しくて仕方のない『うんち期』を、どれだけ一緒に面白がってあげられるかは、子育てにおいて持つべき大事な視点の一つと言えます」

 「うんち期」真っ最中の子どもに、余裕をもって付き合うコツと、子どもたちのあり余る「うんちへのこだわり」を親子で一緒に楽しんでいく方法について、次のページから宮里さんに詳しく教えてもらいます。