新年度がスタートして1週間。保育園でも先生やお部屋が変わり、園になじんでいるはずの年中、年長の子どもたちでもドキドキ、ソワソワしてしまうこの時期。新入園児や転園組は慣らし保育に苦労するかもしれません。また、新年度を迎え、環境が変わったことで、子ども同士でちょっとしたトラブルが起きてしまうなんていうことも……。

 今回は新年度ならではの保育園生活のお悩みに、子どもたちとのほのぼのとした日常をつづったツイッターが大人気の保育士「てぃ先生」に答えていただきました。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 実は危ない乗り方とは? 子乗せ自転車ルール再点検
(2) てぃ先生 子ども同士のトラブル、親は介入していい ←今回はココ
(3) 大人を冷めた目で見てる…5歳からの中間反抗期
(4) 自分の思いを通したい時期の子どもに従うのは間違い

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

慣らし保育は“これだけの期間は見ておかなければ”と思い詰めない

 子どもが少しずつ保育環境に慣れるように、子どもの様子を見ながら、保育時間を1~2時間から通常保育まで段階的に延ばしていく準備期間「慣らし保育」。既に始まっているご家庭も多いことでしょう。もしかしたら、1週間経っても「うちの子はまだ泣いてばかりで心配……」と頭を悩ます親御さんもいるかもしれません。

 てぃ先生は「慣らし保育は年齢によっても違いますし、子どもによっても違います」と言います。

 「それぞれの保育園の方針もありますし、明確にこれくらいの期間ということは決めづらいのが慣らし保育です。ただ、保育園は働く親御さんの生活を支える場所でもありますので、お父さんやお母さんが“これだけの期間は見ておかなければ”と思い詰める必要はないのではないかと」

 例えば保育園でなかなかミルクを飲んでくれない子どもでも、家に帰って飲むのであれば、あまり神経質になりすぎず「1日のうちこれくらい飲めばOK」と考えるなど、まずは親が「なるようになる」という、おおらかな気持ちになることも必要だと言います。

 「保育士は子どもの発達を学んできた専門性を持つプロですので、安心して任せてしまいましょう」。ただし任せるためには、子どもの慣らし保育と同じくらい、親が保育園に慣れることが大切だと、てぃ先生は言います。「保育士とコミュニケーションが取れるようになれば、子どもの様子がお互いに話しやすくなりますよね」。

 ただし子育ての話だけになると、どうしても“業務連絡”的になりやすくなります。そんなときは「暑くてジャケットを着ていられませんよね~とか、ちょっとした世間話をすることで、話しやすくなると思うので、試してみてください」と、てぃ先生。特に転園すると、前の保育園との違いに戸惑うことも多いものですが、保育士・保育園とのコミュニケーションをスムーズにすることで、ギャップを早く埋められるようになるといいます。

 次ページからは、子どもが小さいうちは特に気合いを入れて書いてしまう「連絡ノート」の活用法や、この時期ならではの「行き渋り」の対策について伺います。

てぃ先生。関東の保育園に勤める現役男性保育士。子どもの豊かな感性とそれに対する気づきを発信したSNSが大人気となり、いまやフォロワーが約44万人に。SNSを基にした著書やコミック、アニメも好評。保育の現場に対する提言や子育てに関する講演、保育士との勉強会も行っている
てぃ先生。関東の保育園に勤める現役男性保育士。子どもの豊かな感性とそれに対する気づきを発信したSNSが大人気となり、いまやフォロワーが約44万人に。SNSを基にした著書やコミック、アニメも好評。保育の現場に対する提言や子育てに関する講演、保育士との勉強会も行っている
<次のページからの内容>
● 連絡ノートを書くのが負担になってしまったら
● 言いにくいことは連絡ノートに
● 行き渋り、どうしたらすんなり登園してくれる?
● 楽しく保育園に行くための声掛けの注意点
● 3歳からのお友達トラブル、親は介入してはダメ?
● 保育園を出たあとのトラブルでも、伝えたほうがいい理由