働く親にとって、子どもと離れて過ごす時間が長くなってしまうのは、悩みの一つかもしれません。短くてもいいから、心を通わせる時間をつくりたいもの。子どもと親とのコミュニケーションツールとしておすすめなのが、実は「絵本」なのです。

どんな本がいいの? やっぱり名作がいい? どうやって読むといいの? そんな素朴な疑問について、絵本に詳しい専門家のアドバイスを紹介します。また、専門家による保育園児向け「0~6歳年齢別おすすめ絵本リスト」もぜひ参考にしてください。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 子ども乗せ自転車 安全な乗せ方は?雨の日は?
(2) 嫌がる子どもにどうやって薬を飲ませればいい?
(3) 食前とは?坐薬や点眼薬どう使う?子どもの薬の疑問
(4) 日中は離れていても「読み聞かせ」で心をつなぐ←今回はココ

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

絵本は、親子のコミュニケーションツール

 「『これ読んで』『あれ読んで』と子どもが絵本を持ってくるときは、本当は絵本を読んでもらうことより、“こっちを向いて”という意味合いのほうが大きいこともあります」。こう指摘するのは、絵本が子どもの発達に与える影響について詳しい絵本心理学者の佐々木宏子さん(鳴門教育大学名誉教授)。

 「読みながら、『これは何?』『あれは何?』と子どもが絵を指さして聞いてくることってありますよね? 親からすると絵本をなかなか読み進められなくて、面倒に思うこともあると思いますが、それはコミュニケーションの欲求の表れです。子どもはそれが何かを分かっていても、聞いてくる場合があるのです。知りたいのではなく、親と話したいのが本心なのです。絵本は、子どもにとって親とコミュニケーションをとるための手段の一つなのです」(佐々木さん)

 子どもの健やかな成長のためには、親との良質なコミュニケーションが必要です。その手助けのツールとして最適なものの一つが絵本、です

 絵本情報・通販サイト「絵本ナビ」の代表取締役社長、金柿秀幸さんも「絵本は親子で楽しみ、幸せな時間を過ごすためのツール」と指摘します。

<次のページからの内容>

● “教育にいいから”という姿勢ではもったいない
● 絵本を読み聞かせることの大きな効用とは
● 本を読まないのは「私の読み聞かせ方が悪い?」
● やはり、名作がいいの?
● 0~6歳年齢別おすすめ絵本リスト