保育園入園など新しい生活が始まると、体調を崩して病院にかかり、薬を処方される機会も恐らく増えるでしょう。子どもに上手に薬を飲ませられるか不安なママ・パパは多いかもしれません。

どうすれば抵抗なく飲んでくれるの? 薬を苦手にしない方法はあるの? 親がぜひ知っておきたい工夫について、小児科専門医に聞きました。今回は「シロップ、粉薬の飲ませ方」「食べ物と混ぜるときの注意点」「味覚や自我を考えた年齢別アドバイス」などについて、次回は「食前・食後っていつ?」「保育園で飲ませてくれないときは?」「坐薬・貼り薬・点眼薬を上手に使うには?」など子どもの薬にまつわる疑問について取り上げます。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 子ども乗せ自転車 安全な乗せ方は?雨の日は?
(2) 嫌がる子どもにどうやって薬を飲ませればいい? ←今回はココ
(3) 食前とは?坐薬や点眼薬どう使う?子どもの薬の疑問
(4) 日中は離れていても「読み聞かせ」で心をつなぐ

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

「必要なもの」と伝えながら飲ませる姿勢が大事

 体調が悪いと、ただでさえ子どもは不機嫌になります。そんな子どもにどうやって薬を飲ませればいいのか戸惑う親はきっと多いでしょう。「小さな子どもにお薬を飲ませるのは大変な場合が多いです。医学的、薬学的な制約と子ども独特の特性を勘案して服薬させていく作業が親に求められます」と、小児科専門医で生馬医院院長の小山博史さんは話します。小山さんに、親ができる工夫について教えてもらいました。

 子どもの薬は、苦いものもありますが、飲みやすいように味を調整してあるものもあります。ですが「『おいしいから飲みなさい』とはあまり言わないでください」と小山さんは指摘します。「薬は、そもそも“おいしい食べ物”ではないので、味わって飲まない」こと。そのために「服用直後にミルクやお茶を多く飲ませて口内に薬剤が残らない状態にする」のが基本といいます。

 「『おいしいから飲む』のではなく、『病気を治すために必要なもの』と伝えながら飲ませる姿勢が大事。ただし、つらいことという印象は持たせないよう、楽しい雰囲気づくりも忘れないでください」。子どももいずれ成長すれば、自分で薬を飲まなくてはならなくなります。「体を治すために自ら飲むもの」という基本姿勢を今から少しずつ子どもに伝えておくことは将来のためにも大事なのです。

 では、具体的な飲ませ方の工夫を見ていきましょう。

<次のページからの内容>

● シロップ、粉薬の上手な飲ませ方
● 水や湯ざまし以外のものと混ぜてもいい?
● オレンジジュースと混ぜてはいけない薬がある理由
● なぜ嫌がるのかを考えてみると対処しやすい
● うまく飲ませるには「普段の生活が肝心」ってホント?
● 味覚や自我の発達に応じて、“作戦”を変更すべし