4月からの小学校入学を控えた保育園児や親は、期待に胸を膨らませると共に、ちょっぴり不安や緊張も感じているでしょう。入学すると「授業」が始まり、「先生」との関係も保育園時代とは変化します。生活習慣や心構えについて聞いた前回に続いて、今回は、勉強や学習面での準備について、東京都文京区立柳町小学校の元校長、秋山明美さんに聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) ぬり絵、折り紙…パターンのある遊びが育む本質的な力
(2) 幼児期「遊び込む」経験が小学生以降の学びの土台に
(3) 入学前の生活習慣と心構え 「親子でワクワク」を大切に
(4) 入学前の学習準備 大切なのは「読み書き」だけじゃない ←今回はココ
(5) 学童保育どう利用? コロナ下で変わる放課後の過ごし方
(6) 就学前に親から子に教えたい「交通安全」3つの約束

学習への興味を高めるために家庭でできること

 保育園との一番の違いは、小学校では勉強が始まることです。入学前の読み書きの練習はどの程度必要でしょうか。また、45分間座って授業をすることに耐えられるのか……など、親としては不安が尽きないでしょう。

 「文字の読み書きについては、私立の小学校に進学する場合は必要なケースもあると思いますが、公立小学校の場合は、学習において『入学までに○○ができていなくてはダメ』ということはないはずです。入学前に計算や書き取りができなくても、小学校で習いますから、焦らなくて大丈夫です」と、東京都文京区立柳町小学校の元校長、秋山明美さんは言います。

 「ときどき、『入学までに自分の名前と自宅の住所と親の電話番号を言ったり書いたりできるようにしなければ』という声も聞きますが、私の実感では、入学前にそれができる子は10人に1人くらいだと思います」

 では家庭での取り組みが不要なのかというと、決してそうではないと秋山さん。むしろ、学習への興味を育むために、入学前から親ができることはたくさんあると言います。次のページから、以下のような疑問について、秋山さんに聞いていきます。

入学前の「学習準備」、ここが知りたい!

1、文字の読み書き、時計の読み方…入学前にどこまで身に付けるべき?
2、授業中ずっと座っていられるか心配。家庭でできる準備は?
3、保育園時代とは「先生」との関係が変化。子どもが戸惑ったら?