走るのが遅い、つまずきやすい、真っすぐに立っていられないといったお子さんの様子に、悩んでいる親御さんは多いかもしれません。実はこれらの原因に、足の浮き指という症状が隠れていることがあります。浮き指とは何か、その原因やケア方法はどうしたらいいのかを、浮き指研究の第一人者カサハラフットケア整体院・笠原巖(かさはら いわお)院長に聞きました。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 走るのがニガテ その原因は浮き指かも?←今回はココ
(2) 子どもの靴選びは足を固定する「かかと」が命
(3) 子のアートの心を育てる 絵の具、フェルト遊び
(4) 子どもの五感を刺激 外で色水遊びと自然スケッチ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

何もないところでこけるのは、浮き指が原因ということも

 足は、小学校に入る前の未就学時代から形が傾向付けられて、10歳までに決まるとされています。浮き指を放置したままだと、肩凝りやひざ痛、腰痛、頭痛といった症状や運動機能の低下、自律神経の乱れなど、さまざまな面に影響が出てしまう可能性があります。お子さんに以下のような症状はないでしょうか。

走るのが遅い、ニガテ
平坦な場所でもつまずくことがある
真っすぐ走れない
真っすぐ立っていられない
転ぶと受身を取れず、顔や頭を打ってしまう
肩凝りや首凝り、ひざ痛、腰痛、頭痛などがある
胃腸が弱く、便秘や下痢などをしやすい、冷え性
疲れやすい、外で遊ばない

 一見すると、全く関係がないものが並べられているように見えますが、これらはすべて 足の浮き指が原因の可能性 があります。浮き指とは、どんな症状なのでしょうか。

 「歩行時に足指を踏ん張ることができず、浮いてしまう状態を指します。浮き指だと重心がかかとに片寄り、膝も伸びた状態でドシンドシンと歩くことになります。そのため走るのが遅い、ニガテ、転びやすいなどの症状が表れます」と笠原院長はいいます。

 浮き指になると上のイラストのように、立っていても足の指が浮いてしまっている状態です。「足裏が不安定な分、ひざや腰、肩、首などでバランスを保とうとします。すると体にゆがみやずれも生じてしまいます。最近は子どもなのに肩凝りやひざ痛、腰痛、頭痛などを訴える子が増えていますが、浮き指によって体の土台である足のバランスが乱れていることが原因というケースが多く見られます。体にゆがみがある状態を放置したままだと、自律神経の乱れにもつながり、うつ状態や不登校になる子もいます」(笠原院長)

 お子さんが浮き指かどうかは簡単にチェックできます。足をだらんと完全に力を抜かせた状態で、親指を甲側に限界まで倒したとき、90度以上に反ると浮き指の可能性があります。

 上のイラストで90度程度で止まるのが正常な状態です。90度以上、グニャッと反ってしまったら浮き指かもしれません。

浮き指の症例
6歳の女の子の浮き指の状態
6歳の女の子の浮き指の状態
13歳の男子の浮き指の状態(いずれも写真提供/カサハラフットケア整体)
13歳の男子の浮き指の状態(いずれも写真提供/カサハラフットケア整体)

 では何が原因で、どのように対処すればいいのでしょうか。

<次のページからの内容>

● 浮き指が起こる一因は足裏の刺激不足
● 足に合うっていないゆるい靴を履くこと
● 浮き指と足の巻爪はセットで起こる
● お母さんが子どもにしてあげる足裏爪刺激法
● グーパー足裏運動で浮き指を予防する