ヨチヨチ歩きを卒業するとそろそろ気になるのが、乗り物玩具です。最近はバランスバイクが乗り物玩具デビューという子も多い様子。そこで、バランスバイクが子どもの発達に及ぼす影響を、保育園や幼稚園で運動指導に当たっている脳神経の専門家・栁澤弘樹さんにお聞きしました。さらには数あるバランスバイクからどれを選べばよいのか、迷っているママ・パパに向けて、先輩ママたちの声を基にバランスバイクの選び方をまとめ、日本のママ・パパの声を受けて進化したバランスバイクを紹介します。ぜひ参考にしてください。
【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1) 子連れで飲食店 炎上しない親子のマナー
(2) てぃ先生直伝 子どもが一瞬で静かになるプロの技
(3) 「3割が半日で乗れる」自転車教室を体験してみた
(4) バランスバイクはどれにする?日本的進化型を研究 ←今回はココ
子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。
NPO法人運動保育士会理事。こどもプラス株式会社取締役
その子なりの運動が子どもの社会性をはぐくむ
ハイハイに始まって、ヨチヨチ歩きやジャンプ、滑り台、ブランコなど、子どもはいろいろな運動ができるようになっていきますね。親はついお友達と比べたりしがちですが、必ずしも同い年の子よりも早くできる必要はありません。大切なのは子どもがその子の発達に沿って動ける体を培って、色々な動きができるようになっていくことです。というのも人は体を動かすことで、自然に周囲との会話量が増えることがわかっているからです。
体を動かす遊びを通して、子どもは他の子どもと話すようになり、友達になって、そこから遊びが生まれます。おにごっこでもケンパでも、遊びにはルールがつきものです。遊びの場のメンバーは固定ではありませんから、メンバーが変われば、ルールも少しずつ変わっていきます。その変化を受け入れたり、受け入れてもらったりという経験は、一般社会で必要なルールを守る心や、相手を受け入れる柔軟性を育てます。自分にはできないことができる友達に憧れたり、教えられたり、教えたり。そうした一連の流れから、子どもたちは大人の世界につながっていく社会性をはぐくんでいくのです。こういった流れのベースに「動ける体」があることを思うと、子どもの発達段階に合った運動の大切さがわかると思います。
バランスバイクも子どもが興味を持つのであれば、運動の一つとして取り入れてみるとよいでしょう。バランスバイクの特徴としては、「蹴って進む」ということがあります。そこで「蹴る」という運動が子どもの心身の育ちにどんな影響があるのか考えてみましょう。まず、バランスバイクに乗っているときの子どもの脳がどう働いているかを説明していきます。
バランスバイクに乗ることで脳のさまざまな分野が刺激を受ける
バランスバイクに乗っているとき、子どもはほぼずっと、前方を見て、目で見た情報を脳に送っています。目で見た情報とは、前方に凹凸があるとか障害物までの距離、そして、左右から何か出てきそうだといったことです。ルートが真っすぐか、カーブしているかも見ています。そうした視覚情報に基づいて、脳は向きを少し変えようとか、止まったほうがいいな、という判断をします。判断をするときには、バランスバイクに乗る時の決まりやこうなったら危ないという情報が必要です。それらの情報は子どもの中に記憶として保存されていますから、その情報を引き出してきて、判断をするわけです。その次は「こっちに曲がれ」とか「止まれ」いう指令を筋肉に出します。どこの筋肉をどのくらいの強さで動かすか。これを一発で決めるのは子どもにはまだ無理です。まずやってみて、「あっ、ちょっと行き過ぎた」となったら微調整をしながら、進んだり、止まったりしていくのです。
バランスバイクは結構スピードが出ますね。あのスピードで進みながらも子どもは瞬時にこれだけの情報処理を行っているのです。視覚、記憶、判断、運動。脳のいろいろな分野が協働しています。バランスバイクに乗ることで、子どもの脳はずいぶん多くの刺激を受けていることが分かるでしょう。
● バランスバイクが都会っ子の蹴る力を強くしてくれる
● 補助輪を少し浮かせてペダル漕ぎの練習をさせよう
● わざとバランスを崩す遊びがバランス感覚を育てる
● 「ブレーキ・スタンド・タイヤ」がママたちが求める機能だった
● ママたちが欲しい機能を進化型バランスバイクに発見!
● 早く自転車に移行したい親子には1台2役のバイクがおすすめ!