新型コロナウイルスの流行にSDGsへの取り組みなど、社会が大きく変化している今、どのようにわが子を導き、育てていくべきか迷っている人も多いのではないでしょうか。子どもが小さなうちから、ジェンダー、多様性、サステナブルなどの社会課題について触れさせてあげたい。でも、どのように伝えたらいいか分からない……というとき、絵本は心強い味方となります。絵本・児童書専門店「ブックハウスカフェ」の店長・茅野由紀さんに、社会課題を知り、子どもの考える力を育む絵本の読み方について聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1)「また遊んであげられなかった」のモヤモヤどう解消?
(2)子どもの左利きは矯正不要 知られざる強みとは
(3)戦争やジェンダー…絵本で子どもに社会課題を伝える ←今回はココ

最近の絵本は社会課題をテーマにしたものも

 子どもから「どうして世界では戦争が起こっているの?」「なぜゴミを分けるの?」「新型コロナはどうして流行したの」といった社会課題に関する質問をされたときに、どう答えていいか迷ったことはないでしょうか。「そんなときは絵本の力を借りてみては」とブックハウスカフェ店長の茅野由紀さんはいいます。

 「絵本の中には戦争や環境問題、人種・性差別といった地球全体の課題から、生活の中にあるような個人的な課題まで幅広いメッセージを感じるものが少なくありません。子どもの『なぜ?』『どうする?』を育むには最適です。また、最近の絵本にはジェンダーギャップやSDGsといった社会課題を扱っているものもあります。何を感じとるかは、読む年齢やタイミングによってさまざまですが、そこが、絵本の魅力でもあります。ぜひ美しい絵、選ばれた言葉、良質な物語の絵本に小さいうちから触れてもらいたいと思います」

東京・神保町にある絵本と児童書の専門店・ブックハウスカフェ。「年に2000冊の絵本を読む」という店長の茅野由紀さん
東京・神保町にある絵本と児童書の専門店・ブックハウスカフェ。「年に2000冊の絵本を読む」という店長の茅野由紀さん
●未就学児のうちから絵本で社会課題を知るには
・どんな絵本を選べばいい?
・絵本を読むときの声かけ、読み方の工夫は?
・すでに自宅にある本から社会課題を学ぶコツは?