AIが台頭するこれからの時代、子どもたちに必要なのは独創的な発想力だといわれます。幼いうちから豊かな空想力を育むためには、親はどのように子どもと関わっていけばよいのでしょう? 日ごろの声がけや絵本の読み方の中にヒントはあるのでしょうか? 前回に引き続き、長年保育現場に携わり、現在子育て番組でも活躍する、非営利団体コドモノミカタ代表理事の井桁容子さんに話を聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 子の「自分が先」にこだわり、負けると怒る、どう対応?
(2) 幼児のドリル学習 ミス伝えると怒る子対策5つのコツ
(3) 空想する習慣が子の生きる力に 想像力の鍛え方
(4) 子どもの空想力を育む話の聞き方、絵本の読み聞かせ方 ←今回はココ

空想話は否定しないで

 子どもが空想の世界に関する話をしてきたときに、そのとっぴな世界に戸惑い、どのように返事をすればいいのか分からないという親もいるのではないでしょうか。

 長年保育士として保育の実践と研究に従事してきた井桁容子さんは次のように話します。

 「親が返答に困るほどとっぴな話をするとは、よっぽど『空想力』が豊かな子どもなのでしょうね。空想話への反応は難しく考えることはなく、親がすべきことは『子どもの話をよく聞くこと』と、『空想を否定しないこと』です。

 子どもが空想話をしてきたときに、『またデタラメを』などと否定してしまうと、子どもは自由な発想ができなくなってしまい、空想力の先にある、現実的な生活に生かせるのびやかな『想像力』も縮んでしまいます」

 一方で、子どもの空想力を大切にしたいなら、子どもの話を聞く際にいくつか心に留めておくべきことがあるのだそう。

 「大人は忙しいので、子どもの空想話に付き合うのもなかなか大変だと思いますが、意味のない話だからと上の空で聞かないようにしましょう。話を聞くにはいくつかのポイントがあります。また、絵本の読み聞かせも空想力を育むヒントになります」

 次のページから具体的に解説してもらいます。