あっちにゴロゴロ、こっちにゴロゴロ。そのたびに親は、ベッドから落ちないかハラハラしたり、キックやパンチの応酬にイライラしたり。子どもの寝相について、心配になったことのある人はきっと多いのではないでしょうか。でも、その寝相の悪さは、脳にとって大切な意味があるとか。睡眠科学の専門家にお話を伺います。

【年齢別特集 保育園のママ・パパ向け】
(1)親が「姿勢」を変えれば都会の公園で自然体験は可能
(2)冬の公園の攻め方 パパは舞台俳優になるべし
(3)寝相が悪いほど「脳にはいい」ってホント? ←今回はココ
(4)どうすれば“返済”できる?子どもの睡眠負債

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

寝相の悪い子はしっかり眠れている

 「子どもがベッドの端っこギリギリで寝ていた」「子どもにキックされて起こされた」。そんな経験のあるママ・パパは多いかもしれません。子どもが1人で寝ている場合は、ベッドから落ちないか心配になりますし、親子で一緒に寝ている場合は、“アクロバチックな寝相”のせいで親が安眠できないという悩みにつながります。

 「子どもの寝相が悪いのは当たり前。個人差はありますが、特に2~3歳前後の子どもはよく動きますね。ベッドから落ちるのは珍しくなく、落ちても寝続けている子どももいるほどですよ」。そう話すのは、睡眠科学・脳生理学を専門としている、睡眠評価研究機構代表・医学博士の白川修一郎さんです。

 あまりに寝相が悪いと、ちゃんと眠れているのか親は心配になってしまいますが、白川さんはこう説明します。「寝相の悪い子どもは、ぐっすり眠れているといえます。反対に、寝相のよい子どものほうが問題を抱えている可能性があります」

<次のページからの内容>
・寝相のよい子のほうが実は心配?
・子どもの脳になぜ眠りが必要か
・冬だから厚い布団、はよくない?
・子どもは「動く物」と認識しよう
・深い睡眠がもたらすこれだけのメリット