産前・産後に、手足のしびれ、痛みやむくみ(浮腫)といったマイナートラブルに悩まされる女性は多いものです。それ自体は、おなかの赤ちゃんや妊娠の維持には大きな影響はないものの、体調にナーバスになりがちな時期にはつい気になってしまいますよね。そこで、産前・産後の手足のトラブルの原因と対処法について、聖路加国際病院女性総合診療部医長の山中美智子さんに聞きました。

【年齢別特集 妊娠・育休中のママ・パパ向け】
(1) むくみ、手のしびれ…妊娠中の手足のトラブルへの対処法 ←今回はココ
(2) 痛む、つる、血管が目立つ…足のつらさにどう対処?
(3) 手早く安全に洗うには? 赤ちゃんの沐浴を徹底理解
(4) 沐浴の悩み解消 保湿は?子二人を一度にどう入れる
(5) 二人目不妊 育児や仕事と両立できる病院選びのコツ
(6) 不妊治療 かかるお金・もらえるお金と企業サポート

妊娠中のマイナートラブルの原因は、ホルモンバランスと体形の変化

 そもそも妊娠中から産後にかけて、手足のしびれ、痛み、むくみ(浮腫)といったトラブルが起こりやすいのはどうしてなのでしょうか。

 原因としては大きく2つ、「ホルモンバランスの変化」と「体形の変化」が挙げられます。

 聖路加国際病院女性総合診療部医長の山中美智子さんによると、「妊娠中は妊娠前に比べて、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロン、リラキシン、副腎皮質ホルモンなど、さまざまなホルモンの分泌が高まります。それと同時に体を循環する血液量が増え、水分量も増加します。また、おなかが大きくなるに従って、背骨の湾曲が大きくなる、重心が変わるといった変化も起こります。マイナートラブルが起こりやすい背景には、妊娠中のこうした体全体の変化があるのです」。

 では次のページから、妊娠中や出産直後に起こりやすい手足のトラブルについて、症例別に原因や対処法などを見ていきましょう。