妊娠中はただでさえ疲れやすいもの。「今からこんな調子では、出産や産後の子育てはどうなるの?」と体力に不安を覚える人も少なくないことでしょう。年齢を重ねてから妊娠した人はなおさらです。妊娠中の今だからこそ、食生活や生活リズムを見直してみませんか。栄養カウンセラーと漢方を扱う中医のお二人の専門家にお話を伺いました。

【年齢別特集 妊娠・職場復帰向けママ・パパ】
(1) 妊娠中インフル・風邪は重症化しやすい 予防法は?
(2) 妊婦が風邪やインフルにかかった場合のNG行為
(3) 妊娠中の食べ物は赤ちゃんの知能や健康に影響する? ←今回はココ
(4) 妊娠中に飲みたいサプリ、飲んではいけないサプリ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

鉄分不足は生まれてきた赤ちゃんにも影響する

 「妊娠中に栄養バランスが整った食生活をしていれば、産後の貧血リスクが減るので元気で母乳の出も良く、産後うつに悩まされることもありません」。多くの女性を栄養療法によって安全な妊娠・出産に導いてきた新宿溝口クリニック・チーフ栄養カウンセラーの定真理子さんは、こう説明します。

 妊娠中はとかく鉄分が不足しがちです。そのため、特に意識をして、鉄分を多く含む食事や吸収率の高いヘム鉄を多く含む肉や魚を摂取することが大切と、定さんは話します。

 「3食とも肉を食べるようにすると、2~3日で体がポカポカと温まるのを実感できると思います」。どんなに暖かい格好をしても手足が冷えやすいという人は、鉄不足が改善できれば悩みが解消するかもしれません。

 気を付けたいのは、鉄分不足は母体の問題だけでなく、生まれてきた赤ちゃんにも影響するということ。「妊娠中に母体が鉄不足だった場合、生まれてきた子どもに知能の発達、身体発育の低下、情緒不安定、注意力散漫といった影響が出ることも分かっています」

●妊娠中は鉄分が不足しがち
●バランス良い食生活が、産後の貧血リスクに影響
●母体の鉄分不足は子どもにも影響する

 忙しくて自分で3食作るのが難しいという人もいるでしょう。そこで定さんに、ファミレスやデパ地下の総菜など、外食でも鉄分を摂取しやすいメニューを挙げてもらいました。次ページから紹介していきます。

 また、生まれてくる子どもの「地頭(じあたま)」を良くするのに影響があるといわれる妊娠中の食事についても、詳しく見ていきます。

<次のページからの内容>
・ ファミレスメニューや総菜でも鉄分を補給できる
・ 妊娠時の“オメガ3系脂肪酸”でIQの高い健康な子が生まれる?
・ 「赤い食べ物」「朝食」で子宮にも栄養を
・ 長時間のパソコン、スマホは「血」にも悪影響