増える子どものアレルギーやアトピー。まだ話せない0歳や1歳だからこそ、ちょっと口に入れた食べ物でアレルギー症状が出てしまうのが不安という人も多いでしょう。しかし、最近の研究で、これまで都市伝説のように言われてきたアレルギーにまつわる様々なことが、実は違っていたという結果も出ているとか……。保育園入園を前に、最新状況を国立成育医療研究センターで小児科でもアレルギーを専門としている福家辰樹先生に伺いました。

【年齢別特集 妊娠・育休向け】
(1) 秋冬生まれベビーの保活と入園準備
(2) 保育園申し込み直前! 知っておきたい基礎知識
(3) アトピーと乳児湿疹の違いは、かゆみの有無
(4) 入園準備 0~1歳でもアレルギーチェックは必要? ←今回はココ!

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

 前回のアトピー性皮膚炎と乳児湿疹の見分け方に続き、今度は入園前に食べ物のアレルギーについて考えておきましょう。

アレルギー検査は、全員に必要なの?

―― 入園を前に、アレルギーを把握しなくてはと思う人も多いと思うのですが、アレルギー検査はいつごろからできるのでしょう? 親としては、分からないと不安で、できるだけ早く検査したいと思ってしまいます。

福家先生(以下、敬称略) 病院によって「小さいからまだ早いんじゃないか」「1歳になったらいいんじゃないか」など、意見がバラつきますね。

 実は、乳児期の早い段階のまだアレルギーとは関係ないような子どもでも、精密なアレルギー検査を行うと約4割の子どもの卵アレルギーの値が陽性に出ちゃうという報告もあるんです。でも、その全員が卵アレルギーを発症するわけではない。もしかしたら、その結果を見て除去をしてしまうことで、なおさら卵アレルギーになりやすくなってしまうかもしれません。だから知らずに食べていたほうが良かったかも知れない、なんていう考えすらあるんです。

―― では、心配な人はいつごろ、アレルギー検査を受けるのがよいでしょうか?

福家 もし検査をする場合、一般的な病院で行われるような検査ならば生後3~4カ月から陽性反応が出てくる場合があるため、離乳食を始める生後6カ月くらいになってから行うことが多いようです。ただ、先ほども言ったように、離乳食が始まる前に検査をするとその子の将来をゆがめちゃうことになりかねません。赤ちゃんのうちに検査をして食べ物を決めてしまうのはナンセンスだという考えのほうが、実は正しいんです。

 まずは育児書などに従い少しずつ食べさせてみて、湿疹など、反応が出たりしたら検査をする、というのがいいかと思うんです。それでも、特定の食品をすべて除去するのではなくどのように少しずつ対処していけるかを専門医と相談していくのがいいですね。

 つい「ママ友が検査に連れていったからうちも」などと心配し過ぎて検査をしてしまったがゆえにアレルギーを増やしてしまった、ということにつながる可能性があるんです。ですから、むやみにアレルギー検査をする必要はないのです。

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