気温が下がり、空気が乾燥するこれからの季節は、さまざまな感染症が流行します。ママパパにとっては、赤ちゃんの体調を心配するとともに、仕事を休まなければならない心苦しさもついて回るでしょう。特に小さな赤ちゃんの場合、出生時にママからもらい受けた免疫が切れると、熱を出す機会も増えていきます。

この時期にかかりやすい感染症の注意点や予防法について、マーガレットこどもクリニック(東京都渋谷区)の田中純子院長に聞きました。今回はインフルエンザについてお届けします。

【年齢別特集 妊娠・育休中のママ・パパ向け】
(1) 実は4分の1が帝王切開 緊急時に慌てない基礎知識
(2) 帝王切開のリスクと注意点 術後の回復は大変なの?
(3) 育児疲れの秋バテを湯たんぽとすりこぎで解消しよう
(4) 赤ちゃんのインフルエンザワクチン どうする?
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(5) 秋冬に増える赤ちゃんの胃腸炎 感染予防と家庭ケア
(6) 妊娠中のスポーツ どこまでやっても大丈夫?
(7) 妊娠中の仕事の負荷 法律で保護される範囲は?

1歳未満ではインフルエンザワクチンの有効性は低い

 医療機関では今年のインフルエンザワクチンの接種がスタートしました。赤ちゃんは接種すべきなのか、気になっているママパパも多いのではないでしょうか。

 大前提として、インフルエンザワクチンを接種できるのは生後6カ月からです。6カ月未満の赤ちゃんは接種できません。そもそもインフルエンザワクチンは他のワクチンと比べると、有効性は高くなく、感染を完全に防ぐことはできません。ワクチンによって「重症化を防ぐ」「かかっても軽く済む」と考えてください。しかも、インフルエンザワクチンは1歳未満の赤ちゃんでは、さらに有効性が低くなります。よって、必ずしも接種しなければならないワクチンではありませんが、次のようなケースでは「接種しておいて損はない」と言えます。