秋から冬になると体の冷えからくるお尻関係のトラブルに悩む人が増えます。妊娠中は、体の冷えに加え、ホルモンバランスなどの関係で、便秘や痔(じ)、尿漏れが起こりやすくなるもの。三子の母で、妊娠中にマイナートラブルに悩んだ経験を持つ、Naoko女性クリニック院長の高宮城直子さんに対処法を聞きました。2回に分けて妊娠中のトラブルケアについて紹介します。

【年齢別特集 妊娠・育休中のママ・パパ向け】
(1) コロナ禍での保育園選び 見学ができない悩みどうする
(2) 認定こども園・幼稚園を選ぶなら 見るべきポイントは
(3) 妊娠中の便秘・痔 人には聞けないお悩み解消 ←今回はココ
(4) 妊婦を悩ます頭痛、腰痛、むくみ 対策とセルフケア

ホルモンの関係でどうしても便秘になりやすくなる

 「もともと便秘がちな人は、妊娠中はさらに便秘に悩みやすくなります。うちに通う妊婦さんの10~20%くらいが検診時に『便秘に困っている』と言います」とNaoko女性クリニック院長の高宮城直子さん。

 「妊娠すると、妊娠を継続するための黄体ホルモンが増加します。黄体ホルモンは、排便を促す腸のぜんどう運動の働きを低下させるので、どうしても便秘になりやすくなるのです。加えて、黄体ホルモンは体内に水分を蓄える働きがあるため、腸管からの水分吸収を増やします。すると便に含まれる水分量が減ってしまい、普段より排便しづらくなるのです。毎月、生理前に便秘になる人がいますが、これも黄体ホルモンの作用によるものです」

 妊娠中期からは別の要因も加わります。「妊娠5カ月頃からは、赤ちゃんが大きく育って子宮が上下左右に広がるため、腸を圧迫します。へその位置より子宮が大きくなる(高くなる)と、腸の中で便が滞りやすくなるので便通が悪くなる人が増えます。おなかが大きいことで体を動かすことがおっくうになり、日常の運動量が減ることも一因でしょう。新型コロナウイルスの流行以降は、感染を恐れて外出をせず、家の中で過ごす妊婦さんが増えたため、便秘に悩む人はさらに増加していると感じます」

 そして妊婦であれば経験しがちな“意外なこと”も、便秘の理由になると言います。それは何でしょう。