前回は、赤ちゃんの眠りのメカニズムと夜泣きの理由、その対策について紹介しました。なぜ赤ちゃんに眠りが大切なのか。また、夜泣きに隠れている病気の可能性とは。前回に続き、兵庫県立リハビリテーション中央病院 子どものリハビリテーション・睡眠・発達医療センター長で、日本初の「夜泣き外来」を開設した小児科医の菊池清さんに話を聞きました。

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(3) 夜泣き外来医師 子の「自分で寝る力」育てる方法
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アトピー皮膚炎や鼻炎が原因で夜泣きが続くケースも

編集部(以下――) 昼夜のリズムをつけて規則正しい生活を送り、生後4カ月以降は夜中にぐずついても様子を見るといった「夜泣き対策」をしても、夜泣きが治まらないケースはありますか。

菊池清先生(以下、敬称略) ありますね。「夜泣き外来」では、生後6カ月以降の赤ちゃんの夜泣きの悩みに対応していますが、県外から来る患者さんも多く、現時点で予約は3カ月待ちです。どの親御さんも生後3~4カ月頃までの夜泣きは覚悟しています。が、6カ月過ぎても「夜中に3~4回と起きては30分くらい泣き続ける」「激しい夜泣きで隣の家に虐待を疑われた」など、いつまでたっても治まらない夜泣きに悩み疲れた人が外来にたくさん来られます。仕事を持つお母さんは睡眠不足で仕事に支障が出たり、夜泣きで子どもに愛情も湧かなくなったり、夫婦げんかが絶えなくなったりするケースも多いです。

―― 生後6カ月過ぎても、親が眠れないほどの夜泣きがあったらどうすればいいでしょう。原因はあるのでしょうか。

菊池 そんな場合は、一度、かかりつけの小児科医に、内臓に病気はないか診てもらうといいでしょう。内臓に異常がなければ、それ以外で夜泣きに悩まされるケースとして多いのは、アトピー性皮膚炎と鼻炎です。適切な治療をすることで、ストンとよく寝てくれるようになります。

 ほかには、下顎の発達が遅く、顎の小さい子も要注意です。