妊娠初期のママが経験する「つわり」。つらそうな様子を目の前にしても、自分に何ができるか分からないというパパは多いかもしれません。子育て支援事業を手掛ける「みのおママの学校」の助産師、谷口陽子さんに、パパが知っておきたいつわりの基礎知識と心構えを聞きました。

【年齢別特集 妊娠・育休中のママ・パパ向け】
(1) 産休前の仕事引き継ぎ コロナ禍で意識すべきこと
(2) メモ活用で妊娠後期の体調を把握 産育休準備も
(3) つわりの妻支える夫の声掛け 不安やストレス和らげる  ←今回はココ
(4) 出産前後、パパの心得 これだけは押さえておきたい

 つわりとは、主に妊娠初期に発生する吐き気、嘔吐(おうと)、食欲不振などの不快な症状の総称です。10人いれば5人~8人が経験するとされ、妊娠5~6週以降に症状のあるケースが多いですが、あくまで目安です。

 谷口さんは「パパにまず理解してほしいのは、『つわり』と一言で言っても、期間、症状、程度は人によって異なるということです」と強調します。

 「ネットや書籍から『つわりとはこうである』と知識を得るだけでなく、ママと会話をしたり実際の様子を気を付けて見たりして、ママのつわりの症状がどのようなものかを把握することが大切です」。ただ、どの点に注目すればいいのか、パパにとっては分かりにくいかもしれません。谷口さんはつわりの症状を知るために、以下の2点を確認してほしいと話します。

■パパの声掛け1 ~ママの症状を把握する~

(1)「ごはんは食べられる?」「通勤は大丈夫?」
どのくらいつらいのかを把握する

(2)「特にいつがつらい?」
つらい時間帯があるか(朝の空腹時、夕方から夜にかけて、など)を把握する

 「日中はほとんど症状がなく、朝起きたときにだけ吐き気を感じるという人もいれば、ひどい車酔いが続くような人もいます。コミュニケーションを通して症状を正確に把握することが、つわりのあるママをサポートするための最初の一歩です」(谷口さん)

 体調不良などで、この時期、ママは不安な気持ちで過ごしています。次ページ以降で、ママに食欲がない時や体がきつい時など5つのケースでパパがしたい具体的な声掛け、つわりが始まる前に確認し準備しておきたいことなどを紹介していきます。

つわりの妻には、パパからの声掛けが大切。写真はイメージ
つわりの妻には、パパからの声掛けが大切。写真はイメージ