関連記事「働く妊婦が知っておくべき早産リスク」で紹介した通り、7~8人に1人と高い割合で起きてしまう切迫早産。思い描いていたマタニティライフとは打って変わった入院生活となってしまった場合、ママ自身はもちろん家族も不安な気持ちになるでしょう。切迫早産となってしまった場合の過ごし方や気持ちの持ち方について、助産師の石川紀子さんに話を聞きました。

(日経DUAL特選シリーズ/2019年8月27日収録記事を再掲載します)

入院での気掛かりは妊婦のメンタル

 妊婦健診でひとたび切迫早産と診断されると、その場で入院となるケースがあります。突然の入院、さらに長期入院も珍しくない状況は、妊婦本人はもちろん家族にとっても大きな不安です。長年、愛育病院の助産師長を務め、現在静岡県立大学看護学部にて、母性看護学・助産学の准教授を務める石川紀子さんは「切迫早産と診断され入院となった場合一番心配なのは妊婦さんのメンタルです」と言います。

 「早産の原因は、前回もお伝えした通り、まだ大部分が解明されていない上に、感染や体質など、妊婦さん自身の責任ではない部分にあります。だから、『こうなったのは自分が悪かったのでは』などと、自分を責める必要はありません。

 また、切迫早産による入院の特徴は、一般的な病気やケガなどとは違い、妊婦さん自身体調の変化に自覚がない点。体の不調に自覚があれば入院生活も受け入れられるものですが、自分はいつもと変わらず元気なのに、ずっとベッドに横になり安静にしていなくてはいけない状況はかなりの苦痛だと思います

 次のページからは、実際に切迫早産で入院となった場合、どのように乗り越えればいいのかについて話を聞きます。