「妊娠は病気ではない」と妊娠中もバリバリ働き続ける妊婦さんは少なくありません。ただし、いつ何が起きるか分からないのが妊娠中の体。働く妊婦の事情などに詳しい助産師の石川紀子さんに、働く妊婦が知っておくべき妊娠期の早産リスクについて聞きました。

【年齢別特集 妊娠・育休中のママ・パパ向け】
(1) 離乳食 うまく手抜きするために知っておきたいこと
(2) 夏のベビーカー使用 赤ちゃんの熱中症リスク高める
(3) イライラは食卓の敵 不要なものは切り捨てて
(4) 赤ちゃんの保湿剤、虫よけ、日焼け止め 正しい順番は?
(5) 働く妊婦が知っておくべき早産リスク ←今回はココ
(6) 1日でも長くお腹に 切迫早産どう乗り越える?

7~8人に1人の割合で起きる切迫早産

 「日本の周産期医療は世界でもトップレベルといわれ、安全にお産ができる国です。多くの人が、妊娠をしたら当然無事に元気な赤ちゃんを抱くことができると思っているかもしれません。けれども、妊娠にはさまざまなリスクがあります」

 こう話すのは、長年、愛育病院の助産師長を務め、現在静岡県立大学看護学部にて、母性看護学・助産学の准教授を務める石川紀子さん。石川さんは働く妊婦が知っておくべきリスクの1つが早産だといいます。

 「早産とは、妊娠22週以降37週未満での分娩を指しますが、赤ちゃんが予定より早い時期に小さく生まれるという意味だけではありません。週数が浅いうちに起きる早産では、赤ちゃんが非常に深刻なリスクに見舞われてしまうのです」

 早産は全妊婦の約5~6%に起こるといわれており、さらに早産一歩手前の危険な状態を指す切迫早産では、全妊婦の13~14%つまり、7~8人に1人の割合で起きるといわれています。働く女性が増える中、妊婦の高齢化が進んでいますが、石川さんは高齢出産も早産のリスク要因の1つだと言います。