育児休業を「キャリアアップにつながる学びの時期」と捉えて過ごす人が増えています。今回は、静岡県立大学経営情報学部准教授で社員の意識改革や組織改革を行うワークシフト研究所所長の国保祥子さんに、前編で解説した「マネジメント思考」を学ぶのにお勧めの団体を教えてもらいました。編集部がピックアップした、育休中でも参加しやすい、プロボノ、コミュニティなど、仕事復帰後に役立つ具体的なサービスとあわせて紹介します。

【年齢別記事 妊娠・育休中のママ・パパ向け】
(1) 国保祥子 キャリアアップにつなげる育休の過ごし方
(2) キャリアを見つめ直す 育休中に最適な「学びの場」5つ ←今回はココ

コロナ禍、育休中ママは「学びのチャンス」が広がる

 前編では、「自分でできる、キャリアアップにつながる育児休業中の過ごし方や心掛け」について、静岡県立大学経営情報学部准教授で社員の意識改革や組織改革を行うワークシフト研究所所長も務め、乳児連れでも学べる勉強会「育休プチMBA」の代表でもある国保祥子さんに解説してもらいました。

 その際のポイントは、「マネジメント思考を持つこと」「主体的に働き、双方向のヘルプをすること」の2つを意識することです。

 「育休中に資格を取得したり、スキルアップに励んだりしている人もいると思いますが、私は何より、『マネジメント思考』を身に付けることが大事だと思っています。育児休業とは本来、働き続けることを支援するための制度です。育休後の仕事と育児の両立生活への再適応を促すための期間だと私は捉えています。組織の中で働く以上、組織目線である『マネジメント思考』の有無はパフォーマンスを大きく左右します。働く時間に制約があるからこそ、重要な視点と言えるでしょう。

 子どものいる生活に少し慣れてきたら、復職後を見据えて『マネジメント思考』や、職場で双方向のヘルプができるようになるためのスキルを身につけることをお勧めします。マネジメント思考を身につけるためには、勉強会でのディスカッションを通じた思考トレーニングは効果的です。その上で、思考力を実践につなげるために、プロボノ(※)等でリーダー経験を積むのもよいかもしれません。こうした経験を育休後に積んでいることで、復帰後にも『主体的に働く意志がある』ことを上司に示せると思います」(国保さん)

※職業上のスキルや専門知識を生かしたボランティア活動のこと

 育休中に参加しやすく、「マネジメント思考」を身に付けるのに役立つ場として、国保さんが勧める2つのスクール・勉強会とは? 学んだことをアウトプットする場として役立つプロボノやコミュニティの情報とあわせて、次ページから具体的に紹介します。

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