前回の記事では「赤ちゃんに対する声かけとジェスチャー」について、取り上げました。玉川大学大学院・脳科学研究所で「乳幼児の音声コミュニケーション発達」について研究している梶川祥世さんによると、音楽は赤ちゃんの発語を促すだけでなく、言葉のリズム、単語の音を分析する力、読み方の習得にも効果的だそうです。どんな音楽を、いつごろから聞かせればいいのかを聞きました。

【年齢別特集 妊娠・育休中のママ・パパ向け】
(1) 赤ちゃんの言語発達促す声かけ・絵本の読み方は?
(2) 赤ちゃんの言葉と情操を育む 歌・音楽の聞かせ方 ←今回はココ
(3) 【動画】出産への不安和らぐ「パパのタッチングケア」

ママパパの歌いかけに秘められた効果とは

 子守歌や手遊び歌として聞く音楽など、赤ちゃんは日ごろからいろいろな音楽に囲まれて過ごしています。玉川大学大学院・脳科学研究所の「赤ちゃんラボ」で、乳幼児の音声コミュニケーション発達について研究している梶川さんが、0~2歳児を持つ母親に聞き取り調査をしたところ、歌いかけを「寝かしつけ」のために取り入れている母親は46%でした。ほかにも、入浴、遊び、散歩、ぐずり(の対応)と、日常のさまざまな場面で歌いかけを取り入れていることが分かりました。

 梶川さんは歌いかけの効果を、こう話します。

 「歌は多くの場合、『詞』という言語的要素と、『旋律(メロディー)』という音楽的要素から成り立っています。子どもにとってはメロディーがついていたほうが言葉を覚えやすいという研究結果もあり、言葉かけよりも歌いかけのほうが、単語の音を聞き取ったり覚えたりしやすいのではないか、と推察されています。

 例えば『かえるのがっしょう』を思い浮かべてみると分かりますが、赤ちゃんや子ども向けの歌の場合、メロディーやリズム、歌詞に繰り返しの要素が多く、覚えやすい構造をしています。このため、赤ちゃん自身が自然に声を出したり、歌ったりしやすく、自然と発語が促されます。また、音のリズムだけでなく、言葉の持つリズムも身につき、言語能力を高める効果もあると考えられています

 では、赤ちゃんにはどんな音楽を、いつごろから聞かせればいいのでしょうか。次のページから見ていきます。

梶川さんらが調査!赤ちゃんの歌いかけに人気の曲ベスト5 1位○○ 2位○○ 3位どんぐりころころ 4位げんこつ山のたぬきさん 5位○○
人気の歌は、3ページ目で紹介! 出典:『なるほど!赤ちゃん学』(新潮社)