30~40代女性の「4人に1人」はあるといわれる「子宮筋腫」。不妊や流産との関係、筋腫がある状態で妊娠したらどうなるのか、産後・閉経後の話など様々な疑問を医師に聞いてみました。

【年齢別特集 妊娠・育休】
(1) 日本の産後ケア施設ってどんなところ?
(2) 子宮筋腫、放置していると妊娠しづらい? ←今回はココ
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 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

閉経までの間、子宮筋腫とどう付き合うか

 「子宮筋腫は30~40代の女性の4人に1人はあるといわれる病気です。クリニックに来られる患者さんにもよく見られます」。三鷹レディースクリニックの天神尚子院長は説明します。

 子宮筋腫は子宮の筋肉の中にできる良性の腫瘍です。「症状は人によって様々です。2~3cmの小さいものが1個という場合もあれば、小さいものが10個以上ある人もいますし、10cm以上に成長した大きな筋腫が見つかる人もいます。原因はまだはっきり分かっていませんが、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンという2種類の性ステロイドホルモンが筋腫の発育に関係していることは分かっています。特にエストロゲンが関係し、エストロゲン依存性腫瘍といわれます。そのため、閉経までは大きくなっていきますが、閉経後は自然に少しずつ小さくなります。閉経までの間、子宮筋腫とどう付き合うかが治療のポイントになります

 「初潮が早い人、妊娠回数が少ない人、肥満でBMI値が高い人、糖尿病や高血圧の人は子宮筋腫になりやすいといわれます。人種によっても多い少ないがあって、アジア系は中間くらいといわれています」

高齢出産する女性を悩ませる“三大疾患”の一つ

 「子宮筋腫が悪性化するのは1%以下です。生活に支障を来す症状が出ていなければ、今後のリスクなどを説明して経過観察するケースが一般的です」と天神さん。気になるのは妊娠・出産への影響です。「最近は、高齢出産が増えているため、昔より子宮筋腫との付き合い方が課題になっています。子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症は高齢出産する女性を悩ませる三大疾患と言ってもいいぐらいです。筋腫の位置や大きさ、数によっては、妊娠・出産に影響を及ぼす可能性があるので、その人の年齢や現状、希望を聞きながら、治療の方針を決めます

 そもそも、どういう症状が出れば子宮筋腫と分かるのでしょうか。「子宮筋腫があっても自覚症状はなく、気づかない人も多いです。発生位置や大きさによっては症状が出る場合もあります」

(画像はイメージです)
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<次のページからの内容>
・子宮筋腫が疑われる症状
・不妊や流産の原因になるの?
・妊娠が判明してから見つかった場合は?
・状況を把握できていればプランも立てやすい
・出産後や閉経後は?