赤ちゃんは生後3~4カ月ごろから夜間に長時間寝るようになります。それでも、3~4時間おきにおっぱい、ミルクを欲しがって泣くので、親はまとめて寝ることができずつらいですね。夜中の授乳はいつごろまで続くのでしょうか。前回に続き、小児科医の渡辺とよ子先生に話を聞きました。この春販売が解禁され話題の液体ミルクの活用法についてもお伝えします

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離乳食と授乳の栄養が逆転するまでは夜も授乳を

 新生児は、寝ては飲みの繰り返し。授乳回数が1日に10~15回という子も珍しくありません。それが成長に伴い、おっぱいをたくさん飲めるようになり、授乳回数も減ってきます。生後3~4カ月ごろに夜にまとめて寝るようになりますが、引き続き夜中に2~3回授乳する子もいます。。

 渡辺さんは「授乳のリズムは赤ちゃんによってそれぞれです。寝る前にしっかり授乳するとそのまま朝までぐっすりという子もいます。そういった子は、ミルクの子に多いです。夜中の授乳が栄養源として大切なのは離乳食が3回食になる頃まで。その後は、離乳食の進み具合や赤ちゃんの成長を見ながら、それぞれの親子で『夜中の授乳の卒業時期』を決めてよいでしょう」と話します。

 離乳食は、母乳・ミルクで育ってきた赤ちゃんが、徐々に固形食から栄養を取れるようにすることです。最初はドロドロにした食べ物をごく少量食べる段階から練習を始めて、徐々に幼児の食事へと近づけ、量や食品の種類も増やしていきます。生後5~6カ月に始まる1回食や2回食のうちは、母乳・ミルク以外の食べ物に慣れて、「食べる」こと自体に慣れるのが目的。この時期はまだ母乳・ミルクがメインの栄養源。「夜中の授乳も必要です」と渡辺さんは話します。

 10~11カ月ごろになると3回食になり、1回に食べる量が増えて、栄養源は、母乳・ミルクから離乳食に逆転します。「この頃に赤ちゃんの体重が順調に増えていて、離乳食からしっかり栄養が取れているなら、1日の授乳量を少しずつ減らせるようになります。夜中の授乳も卒業できるようになります。授乳量をどのよう減らすかと言うと、例えば、食後のミルクを哺乳瓶以外の道具(コップやストロー、スパウト)で飲ませると、赤ちゃんはまだ上手に飲めないので、1回に飲む量がそれまでの半分くらいになります」。母乳の子には授乳の回数を減らしてみるように指導するそうです。「離乳食を食べた後の母乳やミルクは、赤ちゃんが自分で減らしてくることもあります。飲む量が減っても、むしろ離乳食の内容を充実していけばよいのです」

 「離乳食が進まず、体格が小柄で体重が伸び悩んでいる場合には、食べている量や、授乳がどうなっているのか注意深い観察が必要です。昼間の授乳は控えて、離乳食を優先します。夜中の授乳はまだ必要ですが、離乳食からしっかり栄養を取れるようになると、夜中の授乳を卒業できるようになります」と渡辺さん。

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