子どもを保育園に預けて、いざ職場復帰!となっても、残業や出張などで帰宅時間が遅くなり、保育園の預かり時間を超えてしまったり、習い事に送っていけなかったりというケースがあります。とはいっても、すぐに頼れるような両親やパパ友・ママ友が近くにいないことも…そんなときに助けになるのが、「ファミリーサポートセンター」や「シルバー人材センター」という選択肢です。

 いずれも1時間当たり700~1400円程度と、民間のベビーシッターに比べて割安に利用でき、同じ地域に住むご近所さん同士という点でも安心できるのが特徴です。では、利用を始めるに当たって、どのような手続きや注意が必要なのでしょうか。上手な活用法も含めて、仕事に復帰予定のDUAL家庭に向けて、関東エリアに絞ってご紹介します。

【年齢別特集 妊娠・育休ママ・パパ向け】
(1) 入園直前! 準備に外せない便利グッズ、サービス
(2) 料理、掃除、洗濯を“肩代わり”する最新家電紹介
(3) 地域のファミサポ、シルバー人材の違いと活用術 ←今回はココ
(4) 職場復帰前にやっておきたい夫婦の話し合い・決め事

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

相互援助活動のファミリーサポートセンター

 「ファミリーサポートセンター」(以下、ファミサポ)とは、市や区に住んでいる育児の手助けができる人と、育児の手助けを必要とする人から成る会員組織で、相互援助活動(有償ボランティア)による育児支援を行っています。

 手助けができる協力者(協力会員、援助会員、提供会員などと呼ぶ)と、手助けが必要な利用者(利用会員、依頼会員などと呼ぶ)をファミリーサポートセンターが橋渡しし、協力者には子育てが一段落した人や時間がある子育て中の人が多く、地域にもよりますが、30~60代くらいの女性が中心です。

 「保育園の送り迎えと、その後の預かり」「保育園や学校が休みのときの預かり」「保育園や学童から習い事への送迎」など、仕事と子育ての両立目的のほか、保護者の買い物や冠婚葬祭や外出など、仕事以外の理由でもサポートをお願いすることができます。自治体によって違いはありますが、子どもの見守りは基本、協力者の自宅で行います。依頼者の自宅で預かってもらうベビーシッターサービスとは異なる点に要注意です。

ファミサポはあくまで“有償ボランティア”

 地域の子育ての支え合いが目的の有償ボランティアという位置付けのため、他にも、民間のベビーシッターサービスとは異なる点があります。「利用者の要望に対する協力者が見つからないことがあり、確実に要望が受け入れられるとは限らないこと」、「相性が合わないなどの理由で『違う人にお願いしたい』という場合、代わりの人が見つからない可能性があること」、「協力者の急な病気や用事で当日キャンセルになるケースがあること」などにも、心の準備が必要です。

 条件や金額は地域によって異なりますが、一般的な謝礼金は1時間当たり700~1000円ほど。協力者の方へ直接現金を手渡します。きょうだいを2人同時に預ける場合は、2人目から半額になることもあります。利用できる子どもは、基本的には生後57日くらいから小学生まで。地域によって小学3年生まで、または6年生までなどと異なります。

 万一の事故に備え、ファミサポの活動は補償保険に加入しています。保険料はセンター事務局が負担するため、利用者の負担は不要です。

<次のページからの内容>
● 区や市によって条件や金額などは異なる
● 世田谷区、江東区、立川市の実際のサービス内容まとめ
● ファミサポ担当者に聞く「上手に利用するコツ」
● 協力者が60歳以上のシルバー人材センター
● 電話相談の後、自宅で事前打ち合わせ
● 共働き世帯と高齢者世帯の増加で高まるニーズ
● ファミサポとシルバー人材センターとの違いは?