職場復帰が決まった共働き家庭の準備として、チェックしておきたいのが家事のこと。特に保育園に入園直後は生活パターンそのものが大きく変化し、家の中が片付かず、それがかえって家事効率を落としてしまうこともあります。

そこで今回は家事・収納の達人に聞いた、職場復帰前にやっておきたい「動線研究」、そして「収納テクニック」をまとめました。

(日経DUAL特選シリーズ/2019年8月27日収録記事を再掲載します)

 育休から職場復帰すると、仕事・育児・家事のペースをつかむのにしばらくはてんやわんや。特に子どもが小さいうちはまとめて家事をする時間も取りにくいので、効率を上げて時短したいところです。そのカギを握るのが、家の中を整えること。

 知的家事プロデューサーの本間朝子さんは、家事もビジネスと同様に効率を意識して、やるべきことを絞り込み、やらなくていいことは極力やらないようにする「知的家事」という理論を提唱しています。

 本間さんによれば「掃除」「片付け」は全く違うもので、「掃除は清潔にすること、片付けは整理整頓ですが、同時に行うと効率が悪く余計に作業が大変になる」といいます。

 ではどうすればうまく整理整頓でき、掃除がラクになるのでしょうか。

【効率化ポイント1】動線研究から始める「予防片付け」

 本間さんが推奨しているのが「予防片付け」という概念。

 買い物したものを床に置いたり、脱いだものをソファにかけたり、郵便物なども含めて、物がバーッと入ってくる帰宅後5分の「魔の時間」を制すれば、「散らかるのを予防できる」のだと言います。

まずは「置く場所=収納場所になる」という動線をつくる

 そのためにはいつも散らかりがちなものを片付ける場所と、ふさわしい動線をつくる、もっと言えば「『置く場所=収納場所になる』という動線をつくること」が重要です。

 本間さんの場合は帰宅したら鍵を玄関脇の置き場所に戻す、スーパーの買い物袋は床に置かずにキッチンの調理台の上に置く、マンションのエレベーターに乗っている間に郵便物は開封してゴミはバッグに入れる、帰宅したらバッグ置きの脇に配置したゴミ箱にそのまま捨てるなど、帰宅後の動線上に片付け場所を組み込んで、頭を使わなくても流れ作業ですべてが片付くようにしているそう。

 「とにかく無駄な動きをしない、動線を短くする」のがポイントです。

 でも、帰宅後5分で散らかしてしまうのは家族も同じ。夫(妻)や子ども対策はどうすれば?

<次のページからの内容>

● 家族のための「ただいまコーナー」を用意
● 「多過ぎる物」対策は?
● 本間さんの「予防片付け」テクニックまとめ
● 収納王子コジマジックさんの片付け3ステップ
● 使っていないモノ、1年以上使わなければ処分