前回記事では、74.4%の読者が妊娠中に何らかの胎教をしていたことをお伝えしました。胎教には科学的な根拠はないという意見もありますが、その一方で「赤ちゃんの情緒が安定する」「家族の絆が深まる」「生まれた赤ちゃんとコミュニケーションがとりやすい」といった体験談も多く寄せられています。

 お母さん自身がリラックスしながらおなかの赤ちゃんと向き合う時間を持つことで、赤ちゃんにもリラックスした気持ちが伝わり、産後の子育てにいい影響が出るのかもしれません。具体的にどのような方法で胎教を行うといいのかを取材しました。

【年齢別特集 妊娠・育休のママ・パパ向け】
(1)復帰後の働き方 時短だと給料・評価は下がるの?
(2)キャリアを下りたと思われるこんな振る舞いに注意
(3)読者の7割が「胎教」を実践 どんな効果があるの?
(4)効果的な胎教「時間帯」「声かけ」のコツ ←今回はココ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

おなかの赤ちゃんへの語りかけは胎動を感じたタイミングで行う

 胎教とは「おなかの赤ちゃんにとって良い環境づくりをすること」と話すのは日本胎教協会代表理事の山村尊子さん。良い環境とは、①妊婦さん自身が心穏やかにリラックスして過ごすこと、②妊婦さんが心身を健康に保つこと、③赤ちゃんとの絆作りをすること の3つがそろっていることが条件だそうです。

 ママ自身が心穏やかに健康に過ごすことは大前提ですが、赤ちゃんとの絆作りはどのように行ったらいいのでしょうか? 赤ちゃんとコミュニケーションをとる際に、気を付けたいことをお聞きしました。

 妊娠6カ月に入ると、多くのママは赤ちゃんの胎動をはっきり感じるようになります。赤ちゃんの睡眠サイクルはお母さんの睡眠サイクルとは無関係で、20〜40分サイクルで睡眠と覚醒を繰り返していると言われます。

 ママが寝ていても、おなかの中で活動している赤ちゃんが激しく動き回って、ママを起こしてしまうこともあります。逆に、赤ちゃんが動かないときは寝ているときと考えられます。

 「おなかへの語りかけは妊娠初期から行ってOKですが、赤ちゃんの聴覚が完成する妊娠7カ月すぎからは、寝ている赤ちゃんを起こさないよう配慮しましょう。眠りのサイクルを乱さないよう、赤ちゃんの胎動があるタイミングでコミュニケーションをとることが大切です」(山村さん)

<次のページからの内容>
● 新生児期からぐっすり寝てくれる赤ちゃんにするには
● 忙しいワーママ、胎教のベストなタイミング
● パパの胎教、一番効果的なのはママのサポート
● 音楽を聴かせる、キックゲームをする際の注意点
● 分娩時にも不思議なことが…胎教実践者の体験談