生まれたばかりで首も据わっていない赤ちゃんを沐浴(もくよく)させるのは、何かと不安なものです。前編ではママやパパの負担を抑えつつ、安定した状態で赤ちゃんを沐浴させる方法を紹介しました。後編ではQ&A形式で、沐浴にまつわるさまざまな疑問を解消していきましょう。「保湿はどうしたらいいのか?」「子ども二人のときはどうするか?」などを、松が丘助産院の助産師・吉川万貴子さんに聞きました。

【年齢別特集 妊娠・育休中のママ・パパ向け】
(1) むくみ、手のしびれ…妊娠中の手足のトラブルへの対処法
(2) 痛む、つる、血管が目立つ…足のつらさにどう対処?
(3) 安全に洗うには? 赤ちゃんの沐浴を理解しよう
(4) 沐浴の悩み解消 保湿は?子二人を一度にどう入れる ←今回はココ
(5) 二人目不妊 育児や仕事と両立できる病院選びのコツ
(6) 不妊治療 かかるお金・もらえるお金と企業サポート

「いつもと様子が違うとき」には沐浴も慎重に

沐浴を避けた方がいいのはどんなとき?

 赤ちゃんの平熱は大人より高く、36.5~37.5度くらいと言われています。これより高い熱があるときは、沐浴は避けましょう。赤ちゃんにとって、沐浴は体力を使う行為です。赤ちゃんの体調が優れないときはやめておきましょう。

 また、赤ちゃんの様子がいつもと違う場合にも注意が必要です。例えば赤ちゃんはげっぷがうまくいかないなどの理由で、特に体調が悪くなくてもミルクを吐き戻すことがあります。そういった「よくある吐き戻し」の後で、食欲もあり、元気に遊んでいるなら沐浴しても問題はありません。しかし、何度も繰り返し嘔吐(おうと)する、ぐったりしている、泣き続けている……など、普段と明らかに異なる症状があるときは沐浴はやめて、早めに小児科で診断を受けた方が安心です。

 そのほか、「広範囲に発疹がある」「ジクジクした発疹が出ている」といった場合も、沐浴の前に医師の診断を受けた方がいいでしょう。皮膚トラブルの状態によっては、一時的に沐浴を控えた方がいいこともあるためです。

37.5度以上の発熱時には沐浴は避ける
37.5度以上の発熱時には沐浴は避ける

毎日、沐浴させなきゃダメなの?

 日本の夏は高温多湿になるため、1日1回は沐浴させるのが理想です。赤ちゃんの体に汗が残っていると、かぶれなどの原因になります。ただ、汗をかきにくい季節なら無理して毎日、沐浴をさせなくても大丈夫です。特に冬は乾燥しているため、皮膚がカサつきやすい体質の赤ちゃんはお尻だけ洗面器で洗う部分浴や、暖かいタオルでの清拭で済ませる日があってもいいでしょう。

2ページ目以降、沐浴に関する「そこが知りたい」Q&Aがまだまだ続きます!

次のページからの内容
● へその緒の消毒はどうやるの? いつまで必要?
● 沐浴に適した時間帯はあるの?
● 保湿は何を使って、いつするのがいいの?
● 沐浴は生後何カ月までするの?
● 専用のベビーバスって必要?
● 沐浴卒業後の難題、子ども二人をどうやってお風呂に入れる?