親も自分の人生を歩いて、やりたいことをする

 「お母さんはね、あなたを食べさせるためにね、別にやりたいわけではないけど選んだ仕事なの」と返されるのと、「お母さんはね、この仕事が大好きでね。どうしてもやりたくてやっているの」と言われるのとでは、受け取る子どものプレッシャーは全然違います。どちらの親を尊敬するかも明白ですよね。

 親自身が自分の人生を歩いて、やりたいことをして生き生きとしていることが何より。その上で子どもと生活できていたら、ベストじゃないでしょうか。

 自分でやりたいことを問いかけて、やりたいことを自分で決め、それをやる。「子どもがいるから」「子どものためだから」など責任の理由を他者に押し付けるのではなくて、自分の責任で選択肢を得る。それが一番大事なことです。

 「あなたは、なぜその道を選んだんですか?」と問われたとき、「やりたいから」「自分が楽しいから」。こう言えると責任も出てきます。いい親になろうとすることを言い訳にして、自分の選択肢を狭めてはいけない。

 先に言ったように、何が子どもにとっていいのかは難しいし分からない。だったら、親は、「子どものために」と考えなくていい。

 パパもママも、もっと気楽でいい。食事だって無理して作らなくていいんです。3日間くらい「おなかがすいたら、そこに置いてあるロールパンを食べてね」「大量にコストコで買ったパンとウインナーとブロッコリーがあるわよ」でいいじゃないですか。

 もっといい親になりたい、なろうとする理想も捨てませんか。

 周囲からとんでもない親だと批判されても、いいんです。何よりも大事なことは、娘と息子が今日も笑っていること。採点者は、ママでもパパでも周囲の人間でもない。今日も子どもが笑顔で育っている、それで採点は済んでいます。妻はいい母親だし、僕もいい父親じゃないかって、夫婦で認め合えばいいと思うんです。

 もっともっと気を抜く。親も自分のやりたいことをする。

 僕たちがなるのは、いい親じゃなくて「楽しんでいる親」。親が百のことを語るよりも、親自身が懸命に人生を楽しむ姿を見て、子どもは勝手に吸収していきますよ。

取材・構成/平山ゆりの 撮影/柳沼涼子