個人の資産運用で、株主優待に関心を寄せる人が増えています。でも、株は元本保証がなく値動きする商品。「興味はあるけど、初心者が手を出してホントに大丈夫?」と、一歩を踏み出す勇気が出ない人も少なくないでしょう。その不安や疑問に答えてくれるのが、元プロ棋士でテレビでもお馴染みの優待投資家、桐谷広人さん。「優待投資は個人投資家にメリットが多く、初心者にも適した運用法です」と語る桐谷さんに、株主優待の魅力や銘柄選びのポイントを聞きました。

紆余曲折を経て辿りついた優待投資

 株主優待とは企業が株主に向けて年に1~2回贈るギフトのこと。「株主様、いつもお世話になっております」というように、投資してくれたことへの感謝を示すお中元やお歳暮のようなものとイメージすればよいでしょう。

 現在、株主優待を実施している会社は約1400社。日本の上場企業は約3700社ですから、3社に1社以上が実施していることになります。優待品は食品会社なら自社商品の詰め合わせ、外食企業なら自社の店舗で使える食事券や優待カードなど、自社製品やサービスに関するものがメイン。クオカードなどの金券を提供する企業も増えています。

 こうした優待品で生活のほぼ全てを賄っているのが、優待投資家の桐谷広人さん。「いま“優待株”を800銘柄ぐらい保有しています。これだけ持っていると、お米や各種飲料、海産物や果物、調味料、お菓子などの食品類をはじめ、食器、衣類や眼鏡、靴、時計など、生活に必要なものは大抵優待品でそろいます。買い物はクオカードやおこめ券。映画館や遊園地などのレジャー施設にも優待券で行けますよ」。

 とはいえ、桐谷さんは最初から優待投資を目指したわけではありません。「投資歴は30年以上ですが、バブル崩壊やリーマン・ショックなどで大損をして目の前が真っ暗になる思いもしました。その頃は値上がり益を狙う投資をしていたんです」。

 手痛い失敗を経てたどり着いたのが優待投資。「値上がり益よりも優待や配当といった定期的な収益に注目するようになったことで、株価の上下にあまり気を取られなくなったのがいいところ。仕事、育児、家事で毎日忙しいDUAL世帯にも向く方法なので、株式投資をするならぜひ、優待投資から始めてほしいと思います」。

桐谷さんのバッグの中にはいつも、大量の優待券が!「毎日優待券を使って生活してます!」(桐谷さん)
桐谷さんのバッグの中にはいつも、大量の優待券が!「毎日優待券を使って生活してます!」(桐谷さん)

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