2500円相当でも満足度が高い優待品をもらえる銘柄も

 銀行株の中にも魅力的なカタログギフトの株主優待を行なっているところが多いと桐谷さん。

 「おすすめ銘柄を選ぶのに迷ってしまうぐらいなのですが、今回取上げるのは『めぶきフィナンシャルグループ』(7167)です」

 同社は茨城県の常陽銀行、栃木県の足利銀行という2つの地方銀行を傘下に持つ金融持株会社です。2500円相当のカタログギフトが年1回もらえます。

 「2500円相当という金額は決して高いほうではありませんが、カタログには素晴らしい優待品が揃っています。今年(2020年)分は全部で210種類の優待品が掲載されていて、そのうち198種類が食品なので選択肢が豊富です」

 優待品は地域貢献という趣旨から地元特産品などがラインナップされています。例えば魚の干物や西京焼き、ボイルずわいがに、しゃぶしゃぶ用の牛肉や豚肉、ハンバーグ、ソーセージの詰合せ、アールスメロン、お米(主に茨城県産コシヒカリ)、アイスクリーム、ヨーグルト、ジャム、そば、ラーメン、味噌、酒など実に品揃え豊富。必ず好みのものが見つかりそうです。

 「お米は5kgが5種類と6kgが1種類あります。2500円相当のカタログギフトでお米が6kgもらえるのは他に聞いたことがありません。茨城県産アールスメロンも2玉もらえます。3000相当の場合でも1玉が一般的なので2個は驚きです」

 ただし数量限定品もあると桐谷さん。

 「210種類のうち100種類近くが数量限定なので、第1希望から第3希望まで選ぶシステムになっています。今年、私は茨城県産アールスメロン2玉入り(限定1000セット)を第1希望にしましたが外れてしまい、第2希望の酒井の奈良漬詰合せ(数量限定なし)が届きました」

 なお、株主優待を受けるには一般的には売買単位である1単元(100株)の株を購入すればいいのですが、めぶきフィナンシャルグループの場合、保有株数1000株以上で優待の対象になるため、22万円程度の資金が必要になります。

 「それでも同社は配当も高いので魅力的だと思います」

選択肢は6種類だが、何を選んでも美味しい

 穴吹興産(8928)は香川県高松市に本社を構える不動産会社。

 「ここは3000円相当のカタログギフト(オリジナル特選ギフト)が年1回もらえます。品揃えは6種類と少なめでカタログも小さい冊子のようなものですが、非常に美味しいものがもらえるので取上げました。配当利回りも高めです」

 もう10年以上も穴吹興産の株主を続けているという桐谷さんのお気に入りは半生のさぬきうどんセット。

 「すごく美味しいんです。魚の一夜干しセットも美味しいので今年はそれにしました。フライパンにクッキングシートを敷き、焼いて食べています。何を選んでも美味しくて、毎年外れがありません」

 穴吹興産は2019年末、1株を2株に分割する株式分割を行ないました(株式分割については前回参照)。

 「分割前は1単元購入するのに30万円ほど投資資金が必要でした。それが分割後は半分の16万円程度の資金で株主になれるようになったわけですが、優待内容は分割前と同じです」

 半分の投資額で同じ優待が受けられるのですから、事実上、優待内容が改善されたといえます。その点もおすすめの理由だと桐谷さんは話します。