2月、3月は多くの優待銘柄の権利確定日が集中し、株主優待投資をする人たちにとっては心躍るシーズンです。前回、優待投資の魅力と銘柄選びのポイントを教えてくれた優待投資家の桐谷広人さんに、今回は一歩踏み込んだ実践的なアドバイスを伺います。3月に権利確定日を迎える銘柄の中から、桐谷さんがDUAL世帯向けに厳選した7銘柄もご紹介しましょう。


2月と3月に権利確定する優待銘柄は約930社も!

 株主優待をもらうには、権利確定日に株主になっている(株主として株主名簿に記載されている)ことが条件。株主優待を行っている企業は1430社余りありますが、そのうち2月と3月に権利確定日を迎える企業は何と930社を超えます(大和証券のホームページ「株主優待検索」より。2017年12月29日時点)。あれこれ目移りしてしまいそうですね。

 でも、ちょっと待って。権利確定日の直前は多くの人が優待銘柄を買うため、株価が高くなりがち。優待品だけに注目して買うと高値でつかんでしまい、結果としてお得にならない恐れがあるのです。

総合利回り4%以上なら合格

「高値づかみを避けるには、株価が割安かどうかチェックを」と桐谷さん。「株価が安いときに買えば、少ない投資で優待が得られるからです」。割安かどうかを判断するには、まず優待と配当を合わせた「総合利回り」(前回参照)をチェックすること。「私は4%以上なら合格というルールを作っています」。

チャートや株価指標もチェック

「さらにチャートを数年分見たり、理論株価などをチェックしたりすると、割安かどうかが、より判断しやすくなります」。割安・割高を測る代表的な株価指標であるPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)もチェックして、総合的に判断するとよいでしょう。これらは証券会社のサイトで確認できます。お目当ての銘柄が割安でなかった場合には、権利確定日だからと無理に買わず、下がるのを待つのも手です。

チャートの一例
チャートの一例

《割安度の判断材料になる主な株価指標》

●理論株価
企業の資産や予測される利益などから算出された、本来あるべき妥当な株価のこと。理論株価を下回っていれば割安。いろいろな算出法があるので、複数比較してみること。

●PER(株価収益率)
「株価÷1株当たり利益」で算出。株価が1株当たりの利益の何倍まで買われているかを示す。PERの値が小さい方が割安。同じ業種内で比較してみるのがよい。

●PBR(株価純資産倍率)
「株価÷1株当たり純資産」で算出。株価が1株当たりの純資産の何倍まで買われているかを示す。1倍割れが割安の一つの目安。

年初来安値を付けた銘柄を狙うのも手

 年初来安値というのはその年に付けた最安値のこと。「株式市場全体が好調なときでも、年初来安値を付けている銘柄が少なくありません。私の場合、優待内容をふまえた欲しい銘柄のリストが頭に入っているので、それらの銘柄が年初来安値レベルであればチャンス到来! 念のため総合利回りを調べたうえで4%以上あれば買います」。優待投資に慣れてきたら、こんな手法をとるのも一つでしょう。

桐谷さんは、いつどの銘柄をいくらで購入したか、さらには銘柄ごとに優待内容や利回りを書き出しています。このマメさも優待投資成功の秘訣!
桐谷さんは、いつどの銘柄をいくらで購入したか、さらには銘柄ごとに優待内容や利回りを書き出しています。このマメさも優待投資成功の秘訣!

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