出産・育児はキャリアの一つと、会社は真に理解しているか

—— 就業規則の整備などには社労士が関わっています。なぜ、あえてこの分野に弁護士が中心となって取り組むのでしょうか。

大川原 本来は社労士の仕事だと思いますが、実際の労働問題の判例等も踏まえて調査を行うと、法令を遵守しているだけでは、労務管理が完結していると判断できないこともあると考えています。そこで、弁護士を中心に社労士、税理士、コンサルタント、さらに企業顧問の社労士の方とも連携しつつ、よりホワイト企業になれるよう支援・助言を行っています。

—— 今の時代、男性だけを採用する会社にはよいイメージはありません。でも、女性を多く採用すると、産休・育休でいっぺんに人員が欠けてしまう可能性もあります。男性だけ採用している企業よりも、女性も積極的に採用している企業のほうが、人繰りなどで苦労をすることがあるかもしれません。どうすればいいでしょうか。

大川原 出産・育児はキャリアの一つです。その経験、能力が評価され、仕事でも生かせるような仕組みになれば、長い目で見て、会社にとって大きな恩恵になるはずです。まずは経営者がその点を真に理解しているかという点が重要です。

 一時的に複数の人が産休・育休を取り、穴があいてしまって大変、ということはあるでしょう。そこで提案したいのは、40~50代の女性に仕事を手伝ってもらうことです。子育てが一段落した人など、この世代では働きたい意欲・能力が高いけれど、仕事をしていなかった人が多い。そのブランクをフォローするような研修を行うことにより、きっと戦力になってくれるはずです。ホワイト企業の拡大は、働く人すべての生活をも豊かにしていける重要なことであることを、浸透させていくことを使命と捉え、活動しています。

<関連サイト>
■ 一般社団法人 ホワイト認証推進機構 http://whitemark.jp