意外と知らない?!乳酸菌と免疫力の密接な関係

 大切な時期の内側からの体調管理のために積極的に取り入れたいものの1つが、体に有用な働きをもたらしてくれる乳酸菌です。ヨーグルトの他、納豆やみそ、醤油といった身近な発酵食品にも含まれています。実は乳酸菌の種類は豊富で、健康維持のための免疫力に関わる乳酸菌も何百種類にも及びますが、ここで注目したいのは、その中の1つ、「Lactobacillus bulgaricus OLL1073R-1(以下、乳酸菌1073R-1株)」です。

冬の体調管理に注目したい乳酸菌1073R-1株
冬の体調管理に注目したい乳酸菌1073R-1株

 冬のこの時期、体調不良の主な原因となるのが風邪やインフルエンザ。これらは、多くの場合、口から感染します。でも通常は、唾液がそうした細菌やウイルスの侵入を防いでいます。それが免疫力であり、その役割を果たしているのが抗菌物質のIgA(アイ・ジー・エー)です。IgAは細菌やウイルスなどにすばやくくっついて体外へ排出、病気を防いでくれるのです。そして、その唾液中のIgAを増やす働き、つまり、唾液の質を高め、免疫力を高める働きが、なんと、乳酸菌1073R-1株にあることが明らかになっているのです。

出典:Acta Odontol Scand. 2019 May 161-8.
出典:Acta Odontol Scand. 2019 May 161-8.

 それを実証しているのが上のグラフです。神奈川歯科大学口腔科学講座環境病理学、槻木恵一教授らのグループによる試験結果で、乳酸菌1073R-1株を含んだ食品とそうでない食品を、それぞれ2つのグループに、1日1回100g、12週間にわたって摂取してもらったところ、乳酸菌1073R-1株が、インフルエンザウイルスに対抗するIgAを増やすことが分かりました。